休みの日の朝。ガラス戸から流れ込む陽の光がとても暖かくて
ストーブを消して、ガラス戸を開けた。
昨日の朝は 15cm の積雪があったのに、
今日はこの暖かさだ・・・・・・・
天気予報によるとこの暖かさは明日も続くという。
三寒四温とは、丁度、こんな日々の事を言うのだろう。
今、この行を書いている雑記帳から庭に目を移すと庭には、まだ一面に 40cm 程の雪。
真っ白い雪に、強い午前の光が当たり
まぶしさに思わず目を細めてしまう。
・・・・今朝は、ベランダのヒマワリの種はヒッソリと静か。小鳥達は、まだ一羽もやってきていない。
・・・・と言うよりも
あの早起きの小鳥達のことだ・・・・
僕が朝寝坊をしている間に
カラッポの餌鉢に、誰もヒマワリの種をいれて呉れないのを知って
何処かに飛び去ってしまったのかも知れない。
ダイニングテーブルに肘をついた左手の上にアゴを載せ右手のシャープペンシルで、この詩を書いている僕。
・・・・壁の鳩時計が秒を刻む音が静けさを引き立てている。
去年の誕生日に家内からプレゼントされた若い女性の油絵も
ベイウィンドウに飾られたファルマンの複葉機も
いつものままの、長閑な(のどかな)佇まいを見せている。
ふと思い出して、冷めた紅茶を口に運ぶ・・・・カップをソーサーに戻した時の、瀬戸物とスプーンが触れあう音
目の前には、朝食のバゲットを温めたトースターがあり
庭の白い雪の向こうには、葉を落とした雑木林が黒々と静かに立っている。
ふと、黒い影が目の前を横切った。気が付くと、先刻ヒマワリの種を入れてやった餌鉢に
小鳥達が次々とやって来ている。
ヒガラ、カワラヒワ、ゴジュウカラ、コガラ、ウソ、シジュウカラ・・・・
雪解けはまだまだずっと先だけど
春は確実に、すぐ近くまでやって来ている。
「でも、かなうことなら・・・春よ、出来るだけユックリとやって来て呉れ!」
心ならずも、こう僕は心の中で呟いてしまった。だって・・・・今日のような素晴らしい日々を
・・・・もっともっと心ゆく迄、味わいたいんだもの・・・・
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