(1999-02-09)

深夜

  

深夜。

一人っきりのヒュッテで風呂に入った。

明るい風呂場の電灯の下、

タップリとお湯をはった風呂桶に

肩を沈めて、耳を澄ますと

裏のカラマツ林で鳴る木枯らしの音が

本当に静かだった。

  

  

外はマイナス 10 度の寒さだけど

タプタプと首まで暖かいお湯に浸り

思いっきり大きな口を開けて、アクビをいくつもしたり

湯船の中でポリポリと体を掻いたりしていると

本当に心から幸せだと思ってしまう。

先刻、南西の空に輝いていたオリオン星座は

もう、山の陰に沈んでしまっただろうか?

  

  

風呂から上がって

暖炉ストーブの前に素っ裸で立ち

大きなバスタオルで体を拭くと

ストーブの熱が体中をほてらせた。

そのあとで、パジャマとバスローブを着て

ストーブの前で、この詩を書いている僕。

たった今、壁の鳩時計が、午前2時のポッポを鳴いたところだ。

  

  

  

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