(1999-01-10) 

雪の朝

  

暖かい室内から、ガラス戸の外を眺めると

おととい降り積もった雪で、庭一面が真っ白。

昨夜からの風が止んで、灰色の樹々がホッと息をつき・・・・

空を見上げると、白い雲がユックリと東の方に流れていく。

ヴェランダの手摺りの雪が、半分ズリ落ちているのが、とてものどかだ。

  

  

静かな朝。

暖炉ストーヴ「クミン」の前で・・・・今朝も音楽を聴いている。

太いヤマハンノキを輪切りにしたスツールに座って・・・・!!

部屋の中を静かに流れている、大好きなグラズノフの Vn 協奏曲。

ひとり・・・・「クミン」だけが、眠たげに呟いている。

  

  

朝陽に照らされた雪が眩(まぶ)しくて、目が一杯に開けられない。

でも・・・・雪って、どうして、こんなに白いのだろう?

そして、どうして、こんなにキレイなのだろう?

・・・・目を細めて、じっと眺めていると、

心の中がスッキリと洗われるような気さえ起きてくる。

  

  

雪を眺めながら、グラズノフを聴いていると

遠い異国の教会の尖塔が、目の前に浮かんで来る。

丘の上に建つ灰色の城壁の古城から

遠つ国の異国情緒豊かな歌が聞こえて来る。

突然・・・ホントに突然・・・「生きているっていいな」って涙ぐんでしまった。

  

    


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