家内が修理に出していた車が戻ってきたので、急にヒュッテに出掛けることにした。
・・・・・・衣類と食料を家内に用意して貰い、アラヨっと自動車に飛び乗った。13:30 中野発。
愛車のゴルフ・カブリオをオープンにして素晴らしいスピードで関越を通過。・・・・最近は松原湖高原に行くのに、いつも下仁田で一般道にでるようになってしまった。佐久で下りるより距離が 23km も短縮される上、高速料金も800円も安くなる。臼田の D2 で、以前から目をつけていたサンキンの物置を購入し(\36,000.-)、あちこちに顔を出した後、
19:00 ヒュッテ着。
標高 1300m の松原湖高原の気温は東京に比べたら、圧倒的に涼しい。町の電気屋さんの話では、この辺では個人の家庭でルームクーラーを買う家は殆ど皆無とのこと。・・・・その代わり、冬の寒さは -20度にもなるという厳しさだ。夜、アンナ・カレーニナの続きを読む。気が付いたら午前2時だった。
佐久中央教会の礼拝に出席。
礼拝後、星子先生を中心とした教会員の皆さんと昼食を共にしながら、いつものように明るく楽しいひとときを過ごす。皆さん優しい方ばかりで、僕のようなインチキ・クリスチャンとは大分できが違うようだ。帰途、臼田の Axe Okusa に寄り、\2,970.-の双眼鏡を買う。
対物レンズは 25mm で、IR コート処理がほどこしてある。覗いてみると、バードウオッチングにも使えそうな代物。こんなに使いやすい双眼鏡が、なぜ 2,970 円で売られているのか分からない。
外側の化粧箱には、希望価格 \27,000.- と印刷されているのが、印象的だった。
午前中、小雨模様の中を、松原湖を一周する。
もともと雨が大好きな僕のことだ・・・煙るような小雨に霞む湖の佇まいの美しさに、傘をさしたまま、途中で何回も足を止めた。・・・・・・あの純白の入道雲を湖面に写していた夏も、いつの間にか過ぎ去り、燃えるような紅葉の秋はまだまだやって来てはいないが、湖周のトチ、ミズナラ、カエデ等の大木たちは、いつものように静かに風にそよいでいた。
途中、湖畔の立花屋に立ちよりコーヒーを飲む。
一年に何杯も飲まないコーヒーだが、出窓のガラス越しに、小雨に煙る湖面を長めながら飲んだコーヒーは素敵に美味しかった。
もともと静かな湖のこと、小雨模様と言うこともあって、途中で誰にも出会わず、心ゆくまで湖の美しさを堪能できた幸せな一日だった。
午後2時、過日 D2 で買った物置が届けられ、業者が組立てをしていってくれた。
カラカラと乾いた音を立てて気持ち良く動くドアの軽さが嬉しくて、僕は何回も物置の所に行っては、戸の開け閉めをした。早速、古い物置の農機具を新しい物置に移し、空き家になった古い物置を薪小屋として使うことにした。
今まで、手作りの薪小屋に入っていた乾いた薪のうち、長過ぎるものは 45cm に切り揃え、太すぎる薪は斧で真っ二つに割ってやった。
・・・・パッカーン!!太い薪が真っ二つに割れた時の、あの爽快さは斧を手に持った者でなければ決して分かるまい。夕食後、2階の窓から外を見ると、あたりの樹々は乳白色の霧に包まれていた。
白樺の葉先からポツリポツリと屋根に落ちる夜露の音を聞きながら、古いロッキング・チェアに腰掛けて、時折りユラユラと椅子を揺らしながら、薄暗い電灯の下で読むアンナ・カレーニナは本当に素晴らしい。気が付くと、今夜もいつの間にか午前1時半を過ぎていた。
窓のガラス戸を空けて、ほてった顔を窓の外に出すと、ひんやりとした外気の冷たさが清々(すがすが)しいほどに気持ちよかった。
・・・・あたりに立ち篭める草の匂いに、フト物置のことを思いだし、夜霧の中を長靴を履いて物置を見にいった。
懐中電灯の灯に丸く照らし出された物置は、夜露に濡れながら「これから宜しくね」と挨拶をしているかのようだった。
いよいよ今日が今回のヒュッテの生活の最後の日。朝から、洗濯をしたり、以前からやり残していた太い根っ子の薪割りに四苦八苦したり、薪割りのあとの木っ端を手作りの石の竃(かまど)で燃やしたり、軒下に出来かけの蜂の巣を覗き込んだりしているうちに、一日がアッと言う間に過ぎてしまった。
明日は、午前4時起床の予定。
夕食後は、部屋の掃除をすませ、ひと息ついてからお茶をのみ、ガスを止め、塵芥をポリ袋の中に入れ、冷蔵庫を空にし、東京に持って帰る荷物をトランクや冷凍箱に入れて自動車に載せ、雨戸を閉め、すっかりと戸締まりをし、目覚し時計を4時に合わせてからホッとひと息ついて寝床に入った。
今夜も屋根に落ちる夜露の音が、眠たげな音を立てていた。
03:50 目覚ましの音よりも10分早く目が覚めた。
早速、着替えを済まし、寝床を片付け、歯を磨き、洗面をすましてから、家の周りを2回まわって戸締まりの最終確認をし、電気のメイン・スイッチを切り、ガチャガチャと玄関の鍵をかけ、04:10 愛車のキーを捻った。
外は真っ暗で何も見えない。松原湖高原の畑に出ると、黒一色の畑の中の所々に懐中電灯の灯が揺れている。
驚いて車を止め、暗やみの中をすかして見ると、出荷のためにグリーンボールを箱詰めにしているお百姓さんたちのヘッドランプの明りであることが分かった。
「ウヘー、こんなに朝早く!」
「一体、あの人達は、何時に寝て、何時に起きるのだろう?」・・・僕は思わず唸ってしまった。04:52 コスモス街道に差し掛かった頃、狭霧の中、ようやく東の空がほんの少し白み始め、街道の両側の山の端が少しづつ見える様になってきた。
05:30 下仁田 IC 通過。
06:40 練馬 IC 通過。07:10 自宅(中野区)着。
家に着くと、自動車の荷物を家の中に運び入れ、コンピューターの E-mail を覗いて、メール2本を発信したあと、縁側の脇の畳の上にゴロリと横になり、風にそよぐ庭のアンズの葉を眺めながら「わが家もいいなあ」と思ったら、アッと言う間に寝入ってしまった。午後7時、去年オーストリア・ドイツに旅行した仲間達13人と新橋の中華料理屋で落ち合う。
お店は、台湾の高雄のジャンジャン横丁のような感じの店だった。わが家は一家3人で出席。
一行は、旅行以来、あちこちで何回か会っているツアー仲間だが、今回は旅行以来はじめて会ったお嬢さんが2人出席した。
この可愛らしいお嬢さんと話しを始めたところ、
「忙しいんですか?」と聞かれたので
「うん、色々とガチャガチャ忙しい。今朝も長野県から帰ってきたばかり・・・」と言うと、
「長野の何処ですか?」と聞かれた。
「たぶん知らないと思うけど、松原湖という小さな湖のあるところ」
「エーッ! 松原湖オーー! あの小海リエックスのあるう!」
「エッ、知ってるのオ???」
「だって、リエックスは仕事で何回か行ったことがあるもんですから・・・」
「エッ、本当かよ?? あのリエックスはねえ、僕の家から車で5分くらいの所にあるんだよネ」
と言うと、今度は彼女達がビックリ・・・!!いろいろ聞いてみると、彼女達 S 嬢とN 嬢はある商事会社関連の OL で、特に N 嬢の方は小海リエックスのスキーリフトを担当した会社で仕事をしているとのこと。彼女は仕事の関係で何回かリエクスに出張しており、わが家のヒュッテのある別荘地の脇を、出張のたびに通過していたことがあるらしい。
「ウヘー、世の中せまいねー!! 僕ア、今朝そこから素っ飛んで来たんだよね」
「ほんとう? あそこ素敵な所ですよね」
「うん、僕もとても好きなんだ。よし、今度チャンスがあったら2人で遊びにいらっしゃい」
「いいんですかあ、奥様に断らなくて?」
「大丈夫、大丈夫。心配なら今聞いてみようか?」
と、少し離れた所に座っている家内に声を掛けて、事情を話すと、
「アラ、素敵じゃない。ぜひ、遊びにいらしてね」
と明るい声が帰って来た。
「な、大丈夫だろ」
「本当! じゃあ今度2人で、お邪魔しようかな?」
「うん、来て来て。とくに女性は大歓迎だから・・・・」と言うと、2人は大爆笑でした。
ユリから電話あり。
僕の知人の中に、ユリのつく女性は2人いる。佐藤ユリに斉藤ユリ子という氏名ともによく似た2人の女性だが、今日電話があったのは佐藤ユリのほうである。彼女は湯気が出るような新婚ほやほやである。
「9月28、29日の土、日に私たち2人とKちゃん夫妻と4人で、松原湖に遊びに行ってもいいですか?」とのこと。・・・・この電話があったのは、前もって僕がユリに
「ユリと彼とK夫妻の4人で、松原湖に遊びにいらっしゃい」と、伝えておいた為である。
「うーん、10月4、5の土、日じゃだめかな?9月28、29はバードウオッチングの予定が入っているんだよ」
「10月4、5日でも私たちは大丈夫です。でも、K夫妻の予定をきいてみないと」とのこと。
K夫妻も新婚さんで、両夫妻とも独身時代の時から何回かヒュッテに遊びに来ていたヤングだ。
この2カップルのほか、富山県の智子もS生命の K 氏もヒュッテに遊びに来てから暫くして、次々にゴールインして行った幸せな人達。誰かが、わが家のヒュッテは「縁結びのヒュッテだ」と言っていたが、僕自身も「ホントにそうだと素敵だな!」と考えているようだ。
夕方のニュースによると鹿児島、宮崎で猛威をふるった台風19号は、日本海側に至り勢力が大分弱った由。
と思いきや、今度は台風20号が小笠原東方の洋上を北北西から北西の進路で本州の東岸に接近しつつありとの事だ。
このままの様子だと、本州東岸にかなり接近しそうだ。
ヒュッテは大丈夫だろうか?毎年のことだが、台風18,19,20 号あたりが、どうもあちこちで被害を与えているような気がする。夕方、ふと思ったことだが、このホームページ上で松原湖高原の木彫り細工の名人 K 氏の作品を紹介したらどうだろうか?
・・・・彼の作品は知る人こそ少ないが、本当に素晴らしい。
・・・・そうだ、今週末、ヒュッテに行った時、訪ねて行って聞いてみよう。
台風20号の影響で終日雨模様の1日だった。
午前中、中野総合病院に出掛け、2週間前に行なった大腸の内視鏡検査の結果を聞く。
先生の説明によると、2年前、ポリープ2ケを取ったS字結腸はスッカリ綺麗になっている由。
今回はそのずっと上の方に、小さな(2-3mm径)新しいポリープが見つかったが、焼き切っておいたので当分は問題はないでしょうとのこと。次回の検査は1年か2年後でいいらしい。午後は、山と渓谷社の「野鳥図鑑」のビデオを見ながら、家の中で静かなひとときを過ごす。松原湖高原にいると、いろいろな野鳥の姿や声に接することが出来るが、彼等の姿や声から何という鳥だか分かると楽しいだろうな・・・・と言うのが、このビデオを買ってきた所以である。
ところで、このビデオを見ながら新しい発見をした。
松原湖高原の7月から8月にかけて、ヒュッテが夕靄に包まれる頃になると、よく「フィー、フュー」と薄気味悪い声でなく鳥の声が聞こえ始め、その声はしばしば8時くらいまで続くことがあったが、その声がトラツグミという野鳥の鳴き声であることが分かったのである。初めてその声を聞いたときなどは、以前テレビで流れていた「ヌエの鳴く夜は恐ろしい」のコマーシャルを思いだして、少し気味の悪い想いをしたことがあったが、最近では、その鳴き声も松原湖高原の夏の風物詩の一つになってしまっている。
やはり、松原湖は素晴らしい!!
台風20号が房総沖を北上して行ったあと、ビカビカの快晴になった。
午後、久方ぶりに阿佐谷のドトールにお茶を飲みに行く。
喫茶店は中野にも沢山あるが、片道 2.5km を歩くのがとても気持ちいい。
途中、環七をまたぐ歩道橋の上に立つと、台風が過ぎ去った空が抜けるように青かった。
嬉しくなって、僕は思わず両手を上に挙げ「ワーイ」と、大声で叫んでしまった。ところで今日は、一家3人でヒュッテに出掛ける日。
夕食後、息子と2人でワイワイ言いながら、3日間分の荷物を自動車に積んだ。20:30中野発。
・・・・関越の練馬 I.C に入る前に、目白通りの宇佐美 G.S でハイオクを満タンにする。
この宇佐美 G.S. では、ついこの間までハイオクが 1リットル100だったが、今日は98円だった。
最近激しくなってきた価格競争のためであろう。
・・・・ちなみに、小海町では同じハイオクが 1リットル 118円もするのである。
21:10 練馬 I.C. 通過。
22:30 下仁田で高速道路を下りる。
23:20 小海町に入る。
22:30 国道141号よりヒュッテへの近道に入り、最後の民家からものの5分もしない所にあるカーヴを左に回ったトタン、なんと体長 2.5 メートル程もある、大きな鹿が道の真ん中に立っているではないか!僕は慌ててブレーキを踏んだ。
自動車は鹿の手前2、3メートルの所でやっと止まったが、近くで見ると、それは大きな角を生やした雄鹿であった。「鹿だ!! 鹿だよ!!」
隣の助手席で眠っていた家内は、僕の声にハッと目を覚ましたが、大きな鹿が目の前にいるのを見て、
「あら、あら、あら、ホント!」と驚くと同時に、
「鹿よ、鹿よ!ほら、見て見て」
・・・・・・後部座席にいる長男に声をかけた。ところで、その大鹿は自動車のすぐ傍にいるのに、じっと動かないで我々の方を見ているのだ。
「ハテ?」
・・・・僕は暫くの間、考え込んでしまった。
「そうか、この鹿はハイビームにしていたヘッドライトの強力な光に目が眩んでしまって、、何も見えないんだろう!!」僕がこんな事を考えている30秒ほどの間の大きく見開いた鹿の目玉の美しかったこと!!
深い青緑色の色合いは、さながらエメラルドのようであった。・・・・やや、暫くして鹿は左手の林の中に消えていったが、その足取りは本当に覚束ないものであった。そう言えば、わが家のヒュッテの近くに住んでいる I 氏は、数年前にこの近くで2頭連れの鹿の1頭を自動車ではねて、ラジェーターを大破したと言う話しである。
23:45 ヒュッテ着。
車の外に出ると、空は満天の星星。
気温13度。
中野に比べると6度以上も涼しい!!
隣の部屋で家内がカーテンを開けている音で目を覚ました。
壁の時計を見ると、もう9時を廻っている。
「やっこらさ!」
とパジャマのまま、2段ベッドの下段から外に這い出して、大きな欠伸を
「フワーアアア!」っとした。
それから、窓のカーテンをほんのチョット開いて、隙間から外を見ると、今日も物凄くいい天気だ。
ベッドの上段を見ると、息子はまだ物凄い勢いで寝ているので、カーテンはそのままにする。洋服を着替えて、階下に下り、顔を洗ってから外にでて、もう一度思いきり
「ウーン」と伸びをした。
「ポキリ」首のあたりで音がして、肩がスット楽になった。
あたりを見回すと、ミドリヒョウモンの雌が 1 頭、朝日を斜めに受けて、庭のアザミの周囲を舞っている。
ほかに数頭のイチモンジセセリ、沢山の赤トンボが葉の先や竿の先にとまっている。
朝の穏やかなひとときである。親子3人で来て、一番いいことは朝食を作らずに、いきなり庭仕事に掛かれることである。
今日は、以前から気になっていた太さ 5-40mm の小枝を整理することである。
薪作りは本当に楽しい。
・・・・朝食を挟み、午後1時くらいまで無心にやったら、バケツに固く詰めて5杯も出来てしまった。ところで、途中、ひと休みした時に、赤く熟した庭のヤマボウシの実を口に入れたら、サクランボと同じくらいの大きさのあるその果実は、少し苦味はあるが甘くて美味しかった。
ヤマボウシは6月から8月にかけて、赤や白の美しい花を咲かせる落葉高木だが、その実が食べられることはつい最近になって家内が発見したのである。「ジャムを作ってみようかな!」
・・・・昼過ぎのひととき、ヤマボウシの実の色の美しさに惹かれた家内は、小さい子供のように喜々としてザルに沢山の実を取ってきて、小一時間ほど夢中になってキッチンの中を駆けずり廻っていたが、暫くすると
「アラ、アラ、アラ・・・・色が変わっちゃったワ」
と、ぼやきのテレーゼに変身してしまった。
「どら、どら、見せてみな!」
と、キッチンに行ってみると、成程、ビンの中のヤマボウシの実はカーキ色の戦時中の肝油みたいな形の物に変身してしまっている。
「オヤオヤ、可哀相に!! でも、やってみてヨカッタじゃないか。今度、誰かがヤマボウシでジャムを作ると言ったら、生で食べた方が素敵だよって、教えて上げられるもの。人生、何事も経験だよ!!」
と、言うと・・・・
「そうかア、それもそうよね!! じゃあ、思い出にヤマボウシの実を描いとくから、絵の具かしてね」
と言ったかと思うと、20分もすると、綺麗に描き上げてしまった。
そのうち、この絵を今日の日記に追加することにしようと思う。M-Y Check up to here (020822)
山を下りて町に出た時、美術館に関するこんな話を耳にした。
「今回、初めて、美術館に展示されている絵画の所有者と町との間の契約書が、一部の人々(議員?)の要求でその人々に示された」と言う話である。
その話によると、
「美術館に関するこの契約書は、町の代表者と絵画所有者の間で交わされたもので、契約期間の間(10年?)、美術館の運営に関して、町はその絵画所有者の意見を尊重すること」
となっているということである。
「だから、美術館の館長が町の為に何かをしようとしても、その絵画所有者が違った意見を述べれば、館長はその絵画所有者の意見に従わざるを得ない」のだそうだ。・・・・もし、この話が本当だとすると、美術館のオープンに際し、館長の知らない所で、絵画所有者側の入場料アップの要求が、町の代表者とその絵画所有者側の間で決められ・・・・その事が原因となって、美術館オープンの翌日、館長がその職を辞任した・・・・と言われている事が事実だとすると・・・・・初代の館長 K 氏(町の文化向上のため、貴重な自作の絵画作品20数点を町に寄贈した清廉潔白な方)の立場は、非常に気の毒なものだった事になる。
「ヘエー、それが本当だとしたら大変なことですよね。町側の契約者は、議会に計ることなく単独で契約をしたのですか?」と聞くと
「いいや、全て1人でやったとは考えられない。その契約案は町の議会で審議されなかったけれど、議員の中の誰かが付いて行って契約をしているはずだ。そのあたりの事が、これから問題になってくるかも知れません」とのこと。
このような大事なことを、町の議会にかけることなく、町の代表者の一存で契約をすることが可能なのだろうか?・・・・この話しが単なる与太話しであることを心から願いたい。夕方、一家3人で静かなアルタイル通りを散歩する。
ここの通りは、「アルタイル通り」「オリオン通り」「ベガ通り」などと星座の名前がつけられているのが、ちょっと素敵だ。
草花の好きな家内は、散歩のみちみち、ワレモコウやのアキノキリンソウなどの野草を集めていた。今夜、中野に帰ったら、部屋の中に飾るのだそうだ。小一時間して、ヒュッテに戻って来ると、もうあたりは夕靄に包まれていた。19:45 ヒュッテ発。下仁田 I.C. までの 68km は順調に流れ、まるで貸切り状態。
21:10 下仁田 I.C. 通過。高速に乗る。
21:30 上里 S.A. で20分間休憩。
22:40 関越・練馬 I.C. 通過。
23:00 自宅着。
E-mail を開くと、釣り好きの読者から昨日付けのメールが届いていた。
「晴耕雨読いいですね。自然の写真があればもっといいです」とのこと。
僕自身も全く同じ意見なので、とても有り難かった。
朝、目を覚ますと雨だった。
僕は雨の日が大好きである。ヌクヌクと温かい布団の中にくるまって、ショボショボと鳴る雨垂れの音を聞いていると、とても幸せな気分になる。今度、家を建て直すことがあったら、屋根は絶対に瓦やスレートでなく、銅葺き(どうぶき)にしようと思っている。
理由は簡単である。空から落ちて来る雨の音が、銅板に当たってよく響くからである。今日は秋分の日。平たく言えば、秋のお彼岸の日である
午前中は、雨の中の墓参。雨好きの僕には、チットモ苦にならない。かえって、雨の音と線香の匂いが安らぎを与えて呉れるような気さえする。午後、散歩の途中、住宅地の裏道で、住宅の一部を店舗に改造した静かな喫茶店を見付けた。
入ってみると、静かで清潔な感じの店である。壁には、山の絵が掛かっていて、店全体が何となく山小屋の感じさえ起こさせる。店の名前も「ザック」・・・・まさに、山行のザックであるとのこと。また、こんど行ってみよう。帰宅後、リビング・ルームの籐椅子に腰掛けて、ガラス戸越しにぼんやりと雨が上がったばかりの庭を眺めていたら、一羽のシジュウカラが、ボケの小枝に止まって家の中を、盛んに伺っていた。わが家では、毎年のようにアンズの木に懸けた巣箱の中で、2,3 羽の雛が巣立っていく。
もしかすると、ヒマワリの種が欲しいのかも知れない。今年も、間もなくヒマワリの種を買いに行く季節がやって来る。
クソ忙しい1日。
とても疲れたので、今日の日記はこれでオシマイ!!
雨の午前中、銀行からの帰り道にシェステに寄ってみた。
シェステは中野駅南口から歩いて1分、丸井のすぐ近くのビルの地下にある喫茶店である。と言っても、椅子の数が 12 脚ほどの可愛らしい喫茶店だが、ここで、僕と同年代の地元の悪餓鬼連(?)が、時折、顔を合わせることがある。今日もそうでだった。
僕が行ってから、暫くすると「会長」がやってきた。・・・・会長は僕より7, 8 才年下で、10年ほど前に、地元の小学校(かく言う私も今から50年ほど前に、その小学校を卒業しているのだが・・・・)の PTA 会長をしたことがあるので、シェステのママや地元の悪餓鬼連中から、尊敬の念をもって「会長」「会長」と呼ばれている男である。なにしろ、この地元の悪餓鬼連ときたら、おおよそ「長」のつくものだったら「八百長」であれ「鼻下長」であれ、何でも崇拝してしまうという連中である。
そして、会長は、画廊の経営者で、明るい性格の持ち主である。
おまけに、金離れが良くって、ものに拘(こだわ)らないから女性連からすこぶる評判がよい。
僕も彼の様に女性にモテたいのだが、会長ほど金持ちではないので、いつも、もう一歩と言うところで、彼には敵わない。
ところで、彼は、自分が女性に人気があるのは、自分の教養とセンスだと思っているようだが、僕は彼がモテるのは、彼を取り巻く女性達が皆「人を見る目がないからだ!!」と、思っている。 とは言え、正直な話し、会長は実にいい男である。そして、達筆である。シェステの看板の「こおひいるうむ」と書いたのも彼である。彼と僕が話しをすると、いつも本当に馬鹿げた話しになって、笑ってばかりいる。今日も30分ほど、多いに笑って帰ろうとしたら、ドカドカと大きな足音がしてリーちゃんと軍ちゃんが入ってきた。リーちゃんも軍ちゃんも45年ほど前に、僕と同じ小学校を卒業している。二人は同い年の同級生である。リーちゃんはさる有名な画家の息子に当たり、他人思いの軍ちゃんは地元のお米屋さんで、卓球とビリヤードの名手である。軍ちゃんのビリヤードの腕は大したもので、「何とか」という全日本の大会で優勝したことがあるらしい。
「ヤバイ!! 捕まったら、また、30分ほど家に帰るのが遅れてしまうぞ」と・・・・抜き足、差し足、早々に引揚げようとしたら、目ざとく2人に見付かって問い詰められた。
「あれ、もう帰っちゃうの?」
「まあ、もう一度すわりなよ」
「少し話しをしようよ」と、引く手あまたである。
会長も、茶目っ気タップリの目付きで、
「ほらほら、皆が話したいんだってよ。まだ帰るのはチョット早いんじゃないの?」
などと言い始めて、引き留め側に入りそうなので・・・・
「駄目駄目、今日はこれから母親の所に見舞いに行かなくちゃいけないんだよ」と、出口に向かって歩きだすと、
「また、また、また!! そんな見え透いたこと言っちゃって・・・・じゃあ、いいよ。マーちゃんにアキちゃん(僕のことである)の悪りイことミーンナ言っちゃうもんね・・・・」
と、同級生同士の2人。
マーちゃんとは、シェステの素敵なママのことで、彼女も年齢こそ我々よりズット、ズット、ズーット 下だが、同じ小学校の卒業生である。
「いいもんね、なに言ったって!! どうせ、いいこと言いっこないの分かってるもんね」と、言ってドアを出ようとすると、リーちゃんが突然おおきな声で怒鳴った。
「バッキヤロー、ハヤク・カエレー」
「ウッセー」
内心ニヤッとして、僕も大声で怒鳴り返して外に出た。僕たちが怒鳴りあうのは、他にお客さんがいない時だけである。
・・・・外に出ると、大好きな雨が降っていた。
「ハハハハハハ・・・」
50メートルほど言った所で僕は突然、大声で笑いだしてしまった。「何だよ、アキちゃんたら。ひとが話しをしようと思ったのに、あんなにトンガラカッチャッテー!!」
リーちゃんがボヤいているのが聞こえるような気がしたからである。
午後 6時、メビウスのパーティーに出掛ける。
メビウスは、わが家の近くにあるインターネット喫茶である。インターネット喫茶と言うのは、インターネットに接続されたパソコンが部屋中に置いてある喫茶店である。要するに、インターネットを楽しみながら、お茶やコーヒーを楽しめる喫茶店で、 友達と一緒でなく1人でやって来るお客さんが殆んどである。僕は、自分のホームページをアップロードしているが、ここにお茶を飲みに来る人で、自分のホームページを持っている人は、どちらかと言えば少ないようである。僕がこのメビウスのパーティーに出席するのは今夜が初めてであるが、話しの行き掛かりで、僕が
「絵は 1 枚もない無いけど、自分のホームページを持っています」と言うと、
「僕達に見せてよ」
ということになり、このホームページを披露したところ、何人かの人に
「いいですね」
と言われ、心ならずも少し面はゆい思いをする羽目になってしまった。ところで、僕にとっては初めての経験だが、同じ趣味を持った人間の集まりというものは、不思議なものである。初対面の人達だというのに、ものの5分もしないうちに、僕は皆さんと何の拘(こだわ)りもなく話し始めていた。
この中で、僕が以前からただ 1人知っていた斉藤ユリ子嬢はチョット変わっていてとても面白い女性である。・・・・何が変わっているかと言うと、まず第一に彼女はパソコン大好き人間である。最近の女性の中には、ワープロの名手はかなりいるが、パソコンにはまっている女性はまだまだ少ないのが現状だからである。彼女も以前はレッキとした OL だったのであるが、パソコンにのめりこんで、とうとうその会社を辞めてしまい、このメビウスの社員になったという、女性ながらも実にガッツのある生き方をしている女性である。そして、彼女は 2 人の友達と・・・・言うなれば、美女 3 人で作ったホームページを持っているが、これが又どうしてどうして、なかなかの代物なのである。
嘘だと思ったら、彼女のページのURL は、http://www.bekkoame.or.jp/~ppp/ なので、一度アクセスしてみるといい。
・・・・美女の写真あり、思わず吹き出してしまう小咄(こばなし)あり、グルメあり・・・・という、「オモチャ箱をヒックリ返したような」ホームページなのである。・・・・しかも、驚くなかれ、彼女はこのホームページを、僕のように作成ソフトなどに頼らずに、全部 html で書いているのだ。その彼女、今宵のパーティーの主役の 1 人ということもあってか、いつもにも増して輝いてチャーミングでした。
さて、話しは代わるが、今宵のメンバーの中に 1 人の背の高い外人がいました。彼は終始マックの画面に向かって、横文字を読んでいましたが、たまたま僕がそばを通った時、ふと目が合い目で挨拶をしたので、彼の傍に座って彼の画面を覗きこんで見ました。
彼が読んでいたのは、良く分からないけど、どうもイタリア語らしいので話しかけてみました。(Yatake): "Italiano?"
(Italian): "Si."
Y: "No conprende Usted espagnol ?"
I: "Un poquito."
Y: "Entoncez, you speak English, don't you ?"
I: "Yes, I do."
Y: "You are probaly reading a newspapaer."
I: "Yes, I am. But how did you know ?"
Y: "Because the word 'la gazetta' in the first line means 'the newspaper', I guess."
I: "Yes, you are right. I am reading the latest news from Italy."
Y: "Can't you buy Italian newspapers in Japan ?"
I: "Yes, I can. But Italian newspapers we can buy in Japan are 3 or 4 days old. What I meant to say was they are 3 or 4 days behind the time. And yet they are about 200 yens ! !"
Y: "Oh, I see. But news bits you are reading here are very late ?"
I: "Yes, they are. .....For example, please have a look here. This number 11:45 is the time in Italy. If we take the time difference into consideration, you will know that this is the news of 10 minutes ago."
Y: "I see. That's why you don't buy newspapers and come here to know the latest news."
I: "Yes, exactly..........."面倒臭いから、この会話を日本語に訳さないけど、このようなインターネットの使い方もあるということを、今夜のパーティーで初めて知りました。
4日ほど前に、新婚ほやほやのユリの彼からメールが届いた。
ユリが新婚ホヤホヤだから、彼も新婚ホヤホヤと言うことになる。
この彼、本来ならば、僕はもうかなり前に会っている筈なのだが、未だに僕達は面識が無い。
・・・・と、いうのは、ユリと彼は彼等 2人の結婚の披露宴に僕を呼んで呉れたのだが、僕が丁度ガイド通訳の試験の準備中だった為、出席を失礼してしまったからである。まあ、そんな事はどうでもいいのだが、実は、彼から貰ったこのメールがなかなか素敵なのである。・・・・特に、メールの後半の「鹿が出てくる」あたりが、とても素晴らしいので、彼の許可を得ぬまま、その部分をここに載せることにしたいと思う。
・・・・本来ならば、まず彼の許可を頂かなくてはならないのだが、断られたら大変と思い、問い合わせは失礼することにした。
・・・・以下が、その部分である。****************************************
ところで、八岳さんのホームページを拝見しました。
(我が家からも、ようやくホームページが見れるようになりました)高原日記はとても楽しく読ませていただきました。
この日記のなかで、鹿の話題がありましたが、私が以前千葉県茂原市に住んでいるときに同じようなことがありました。
その頃は、夜な夜な林道ツアーと称して、千葉の大多喜の山の中を走っていました。
ある日、林道を走っていると、突然、黒い影が目の前に現れ、きっ!としました。
よくみると、雌の鹿がこちらを見ていました。しばし、睨み合いです。
どうも、車のライトで金縛りにあっているようで、ライトを消すと飛び跳ねながら、山のなかの闇に消えていきました。普段は自由に歩いているところに、ライトをつけた物体が現れ、鹿もさぞかしびっくりしたことでしょう。 最近は、ゴルフ場の開発で鹿の生息地域が狭くなっていますが、まだ千葉にもこのようなところがあります。
********************************************
この部分を、改めて読み直してみて、「ライトを消した分だけ、彼の方が優しいナ!!」と、ユリの彼が自然を愛する人だったことを嬉しく思うと共に、鹿の立場に立って物を考えることが出来なかった自分に気が付いて、少し恥ずかしい思いをしました。