どうして、ノームGnome)ことを

プティリッツァPtylitza )”って言うの?




 
 最近、私は・・・・・
 「どうして、ノーム (Gnome) のことをプティリッツァ (Ptylitza) って言うの?」
という質問を、よく受けるようになりました。
 特に、ここ 2 〜 3 ケ月・・・・そう、小海町の町勢要覧の裏表紙に、プティリッツァ (Ptylitza) が町のシンボルとして紹介された頃からの事です。

 
 ところで・・・・このプティリッツァ (Ptylitza) に関する質問を受けると、私は半分ため息をつきながら・・・・・
「オヤオヤ、またですか・・・・・?」
とか・・・・・
「ヤレヤレ・・・・また、長い話になっちゃうな・・・・・」
などと、思いつつも
「・・・・でも、話さなけりゃ、分かって貰えないよねえ・・・・!!」
などと、気を取り直して・・・・私は説明をし始めるのですが・・・・正直な話、この話を始めると、これがまた結構タイヘンな大仕事なンです・・・・
 と言うのは、殆どの人が、最初から、この話は眉唾物だと決め込んでしまっているため、この話が「ホントにそうなのだ・・・・」という事を相手に納得して貰うのに、物凄く時間が掛かるからなのです・・・・・!!
 ・・・・ソンナコンナの事情が今まであったからでしょうか・・・・最近では、私も少し話し疲れて・・・・とうとう、こうして、
・・・・なぜ、ノームがプティリッツァ (Ptylitza) と呼ばれるようになったの?
 と、いうページを作るようになってしまったのです。

 
 と、言うのは、こうしておけば・・・・・今後、この同じ質問をした人が、パソコンとかインターネットのホームページに馴染みの深い人だったら、
「ご免なさい・・・・ この話しを始めると、すごく長い話になっちゃうので、僕のホームページに、”どうして、最近ノームがプティリッツァ (Ptylitza) と呼ばれるようになったか?”っていうページがあるので・・・・もし、よろしければ、そちらの方を見て頂けますか?」
と、お願いしてみようかと、思うようになったからなのです。

  

・・・・と、いう訳(わけ)で、これから、その説明に入る事に致します。

 
・・・・さて、早速ですが・・・・

 
 私が、ノームの言葉でノームのことをプティリッツァ (Ptylitza) と言うのだ・・・・と言うことを、ノームから聞いたのは、今年 (1999 年) の 3 月 26 日の夜明け前の夢の中でした。

 
 ・・・・では、何故、そんな夢を見たのでしょうか?

 
 こう考えてみますと、その理由らしきものに、実は思い当たることがあるのです。

 
 実は、・・・・この話しを始めますと、先程もお話したとおり、非常に長い話しになってしまうのですが・・・・やはり、この話しをよく知って頂くためには、どうしても、この話しをお聞き頂かないと、お分かり頂けないと思いますので、チョット大変ですが、皆様のお時間を少しのあいだ拝借して、お話しすることに致します。

 
 さて・・・・
 小海町には・・・・自分たちの町を素敵な町にしようという事を真面目に考えている
小海塾という有志の集まりがあるのですが、そのグループの人達が、或る時、小海町に住んでいるノームを、この町のシンボルにしようと考えるようになったのです。

 
 ・・・・では、何故、小海塾のメンバー達は、小海町にノームが住んでいると考えるようになったのでしょうか?

 
 これにも又、チョット複雑な理由があるのですが、小海町の町興し(まちおこし)の推進者の一人・・・・あの「高原のパン屋さん」の通称「宗(むね)ちゃん」こと・・・・品田宗久社長が、或る時、自分たちの町の町興しのために・・・・埼玉県にお住いの、全国各地で町興しのご指導をなさっていらっしゃる小林総研の小林章先生に、小海塾にお出で頂き、先生のお話をお伺いしようと考えた事が、そもそもの始めの話になっているのです。

 
 ・・・・と言いますのは、品田社長の要請の結果、小海塾にいらっしゃる事になった先生が、事前準備の為、インターネットで小海町関連のホームページを色々と見ていくうちに・・・・今、皆さんがご覧になっているこのホームページで、筆者の八岳晴耕が「小海町でノームに出会ったことがある・・・・!!」という、いかにも馬鹿げた話を、クソ真面目に信じているという事に行き当たったからなのです。

 
 この一件をお知りになった先生は、当初、
「・・・・イヤハヤ、こいつは馬鹿か気狂いか・・・・・?!」
と、思われたそうですが、暫くたつうちに
「そんな大それた事でも、バカ真面目に考えている奴がいるなら、小海町というのは、本当に森の小人ノームさえもが住むことが出来るほど、豊かな自然に恵まれた町なのかも知れない!!・・・・だとすれば・・・・小海町がそう言った町だと言うことを日本全国に PR しない手はないじゃないか・・・・!!」
と考えるようになり・・・・このホームページの「トヴァルジャンカのページ」の全文をプリントアウトし、小海塾での公演の日に、そのプリントアウトのコピーを持参して、公演に臨(のぞ)まれたというのです。

 
 さて・・・・公演当日、小海塾に臨まれた先生は、例の(くだんの)コピーを何人かの塾生に渡したあと
「・・・・こんな素晴らしいものがあるのに、何故、これを・・・・この町の素晴らしさを PR する材料として、使わないんですか?」
と一席「ぶつ」と同時に、その後の町内の色々な場所・・・・観光協会・役場など・・・・に於ける公演会でも繰り返し繰り返し、同じことを話されたのです。

 
 一方、「トヴァルジャンカのページ」を渡された、何人かの小海塾塾生達は、このプリントアウトを読んで行くうちに、この中に書かれている、ノームが持っている第六番目の感覚「トヴァルジャンカ」の意義に非常に興味を持つようになり、塾長の嶋田三代治さん、井出勝彦さん、品田宗久さん等の面々を筆頭に、いつとはなしに・・・・
 「そうだっ!」
 「これは、俺達が今まで心の中で求めて来たものに、ピッタリ一致してるじゃねえか!」
 と考える様になって行き、
 ・・・・その考えが塾生達の心の中に落ち着いて行くにつれ、知らず知らずのうちに、
 「俺達の小海町には、ノームが住んでいる・・・・」
 という考え方が、塾生達の間にごく自然に拡まって行ったのです。

  
 ところがです!!
 ・・・・1998 年秋・・・・
 「ノームが住んでる小海町・・・・!!」
 というキャッチフレーズを合言葉に、PR 活動を展開しようとした矢先に、小海塾の塾生の中の誰言うとなく・・・・
 「ノームと言う言葉を、勝手に使ってもいいだかね?」
 とか、
 「誰かが、ノームという名前を登録してるじゃねえだかい?」
 「・・あとで、ノームっていう名前を使っちゃいけねえ、って言われても困るだよなァ・・・」
 という呟きが段々と高まって来て・・・・・
 「ああでもない」
 「こうでもない」
 という議論をさんざっぱら戦わせた揚げ句、
 「それじゃあ、ノームの本を出版しているサンリオに訊いてみたら分かるずら・・・」
 ということになり、更に喧々諤々(けんけんがくがく)の話し合いを続け
 「じゃあ、そうすべえ・・・・」
 という結論に達したものの、今度は、そこから先がどうしていいのか塾生達には全く分からない!
 ・・・・そうこうするうちに、これまた「高原のパン屋さん」の宗ちゃんが
 「それじゃさあ、オレ、放送作家の K 先生を知ってるから、チット相談してみるよ・・・・」
 ということになり、宗ちゃんが K 先生に相談したところ、
 「・・・・あ、それなら、サンリオに私の知人がいますので、訊いて上げますよ・・・・」
 と言って調べて下さった結果が
 「ノームという片仮名三文字の名称は、サンリオが登録をしているそうです・・・・!」
 というご返事・・・・!!

 
 さあ、小海塾の中は、またまた大騒動!!
 「じゃあ、どうしたらいいだい?」
 「・・・・って言うことは、ノームっていう名前は使えねえっていうことずら」
 「折角、ここまで来たっちゅうのにさあ・・・・」
 「でも、何んか、いい方法があるだべ・・・」
 「皆んな、頭使え、アタマア・・・・」
 等々、色々な発言があるものの、皆んなは、どうしていいのか途方に暮れるばかり。
 ・・・・そのうち誰かが
 「じゃあ、その K 先生にお願いして、サンリオから、ノームっていう名前を使わして貰う許可を取ったらいいじゃねえだかい・・・・?」
 という事になり、これもまたまた、宗ちゃんが K 先生にお願いして
 「小海町という長野県の小さな町が町興しの為に、ノームという名前を使いたがっています。・・・・ついては、小海町が町興しのためにノームという名前を使うことが出来るようにお取り計り願えないでしょうか・・・・??」
 という事を・・・・1998 年暮、K 先生が、サンリオに話して下さったという話。

  
 「やれやれ、これで何んとかなりそうだ・・・・?」
 と、塾生達が安心したのも束(つか)の間・・・・今度は、ひと月経っても、ふた月が過ぎても、サンリオからは何んの返事も来なかったのである。
 宗ちゃんからも、僕からも、何度か K 先生宛てに電話を入れたのであるが、
 「いやあ、何度か電話を入れてはみたんですが、サンリオからはまだ返事が来ていないんですよ・・・・」
 と言うご返事!!

 
 これには、小海塾の塾生達も完全にお手上げ状況・・・・!
 イライラしたり、
 「折角、ここまで来たのに・・・!」
 とぼやいたり・・・・してはみたものの、ここから先は全く手の打ちようもなく、塾生同士、顔を見合わせる度に
 「どうしたらいいずら?」
 「もう少し、時間をかけて様子を見るよりしょうが無えだよな・・・・」
 「いやあ、いつまで待っても返事は来ねえかも知れねえなあ・・・・!」
 等々と、眉をひそめて話しあうばかり・・・・

  
 筆者、八岳晴耕も、「高原のパン屋さん」にパンを買いに行くたびに、裏手の宗ちゃんの事務室に入り浸って
 「何んか、いい方法は無いかなあ・・・・?」
 と、何回も何回も、二人で額を集めて一緒に考えては見るものの、一向に拉致があかない。

  
 揚げ句の果てに、
 「・・・・もう駄目だ・・・・!!」
 と、筆者自身なかばあきらめかけた本年 (1999 年)3 月 26 日の朝、筆者は突然、ノームの夢を見たのである。

 
 夢の中で会ったそのノームは、1991 年から 19992 年にかけて、何回か筆者が会ったことのあるノームである。
 ・・・・・・・・
 ・・・・夢の中で、筆者はそのノームに言った。
   「・・・・ああ、丁度いいところで出会った」
   「どうしてですか?」
   「どうしても、教えて欲しい事があるんです」
   「どんな事ですか?」
   「・・・・ノームの言葉で、ノームの皆さんの事を何んと言うのですか?」
   「そんな簡単な事ですか? 私達の言葉で、私達自身のことはプティリッツァと言いますが・・・・」
   「では、そのプティリッツァというのは、文字ではどう書くのですか?」
   「人間世界の英語のアルファベットを使って書けば、ピー、ティー、ワイ、エル、アイ、ティー、ズィー、エイ・・・・となります」
   「 P, T, Y, L, I, T, Z, A ・・・・・ですね?」
   「そうです。その通り・・・・」
   「ありがとう。・・・・これを使えばいいんだっ!!」
   「・・・・・・・」
   「そうか、プティリッツァ (Ptylitza) だ・・・・!! ノームの代りにこのプティリッツァ (Ptylitza) を使えばいいんだ・・・・!!」
 と、叫んだところで、筆者は目をさましたのである。

 
 三日ほど経った休日の午後、またまた「高原のパン屋さん」にパンを買いに出掛けた筆者は、裏の事務所に品ちゃん(皆はこの社長のことを ”宗ちゃん”と呼んでいるが、筆者は彼の名字 ”品田”の品をとって ”品ちゃん”と呼んでいる)を訪ね、薦められた椅子に座ると、こう言った。
 「品ちゃんよう、あのノームっていう名前の代りに、プティリッツァっていう名前を使ったらと、思うんだけど・・・・・どう思う?」
 「プティリッツァ ?」
 「うん、そう、プティリッツァ だよ・・・・」
 「プティリッツァ かあ・・・・・」
 ・・・・と言って、品ちゃんは暫くの間考えていたが・・・・
 「八岳さん、プティリッツァっていうのは、へえ、小海の人には物凄く言いにくいなあ・・・」
 「・・・・そうかなあ、でも、最初は言いにくいかも知れねえだけど、そのうちにゃあ、だんだん馴れて来るでねえだかい・・・・?」
 「うん、そうかも知れねえけど、ナカナカ馴れねえだろうなあ・・・・!」
 「・・・・よし、分かった。馴れるか、馴れねえかは別として・・・・じゃあ、プティリッツァ っていう言葉はどう思う?」
 「プティリッツァねえ、プティリッツァ、プティリッツァ・・・・・うん、こりゃあ、可愛らしくていい名前だと思うよ・・・・うん、前のノームよりはずっといいねえ! だってさ、ノームっていう名前は、チョット聞くと、あのオウムを思い出させるからなあ・・・・しっかり口を開けて ”ノームが棲んでる小海町”って言わねえと、”オウムが住んでる小海町”に聞こえちまうもんなあ!・・・・そしたら、な、ぶち壊しになっちまうよ・・・・・うん、そんな意味からも、プティリッツァの方がずっといいと思うけど・・・・・」
 「な、そうずら?」
 「うん・・・・でも、この言葉はヨーロッパの言葉みてえだけど、何語だい?、八岳さん」
 「これかい? ・・・・これは、人間の言葉じゃねえだよ・・・」
 「八岳さん、また、また、また・・・・・・人間の言葉じゃねえっちゅうと・・・・?」
 「うん・・・・品ちゃんはどう思うか知んねえけんど・・・・これはねえ・・・・このプティリッツァっていうのは、ノームの言葉なんだよ!」
 「えっ、ノームのことばあ・・・・?」
 こう言うと品ちゃんは、あきれ返ったような顔をして僕の顔を見つめた。
 「そう! そうなんだよ・・・・・プティリッツァってえのはねエ・・・・ノームの言葉でノームっていう意味なんだよ・・・・」
 「また、また、またあ・・・・じゃあ、八岳さんは・・・・どうやって、この言葉をノームから聞いただい・・・・?」
 「え? ・・・・どうやって聞いたかって?」
 「そう・・・・!」
 「いやあ、そう言われちまうと何んだけども・・・・三日ほど前に、夢ン中でノームに会って・・・・な・・・・そのノームから聞いただよ・・・・」
 「夢エエエエエ・・・・?」
 ・・・・品ちゃんは、もう一度のアキレ顔!
 「そう、夢なんだよ・・・・夢ン中で聞いただよ・・・・」
 と言うと、品ちゃんは急にシンミリした顔になり
 「な、八岳さん・・・・そりゃあだねえ・・・・八岳さんがいつも・・・・へえ・・・・”何んとかしなくちゃいけねえ!”・・・・”何んとかしなくちゃなんねえ!”・・・・って、考んげえていたから、ノームの夢さ見たっちゅうこんだと思うよ・・・・」
 「・・・・そうかな?」
 「うん、きっとそうだよ。 ・・・・だって、へえ、八岳さんは、ここに来ちゃあ ”何んとかならねえだかい?”・・・・”何んとかならねえだかい?”・・・・って言ってたじゃねえですか・・・・?」
 「うん、ここに来たことは来たけど、そんなにショッチュウ、そんな事を言ってたかね?」
 「言ってた! 言ってた!」
 「そうかあ・・・・そんなにショッチュウ言ってたかあ?」
 「そう・・・・だからノームの夢なんか見ちまうだよ!」
 「そうかなあ・・・・?」
 「・・・・でもなあ、八岳さん!」
 「ン〜?」
 「これ、面白れえから、使って見ようじゃねえですか?」
 「えっ?」
 「いや、他の奴等じゃ駄目だけど、八岳さんが夢え見たってえ所がいいですよ!」
 「そうかなあ?」
 「・・・・いや、いいですよ! 今度の小海塾の集まりで、オレから皆んなに言いますよ」
 ・・・・という訳で、この日の品ちゃんとの会話は終ったのである。

  
 そして、やって来た小海塾の翌月の例会!
 ・・・・どうやらこうやら、いつもの顔触れが集まると、品ちゃんが僕にチョット目配せをしたと思うと、やおら立ち上がって
 「おい、皆んな!・・・・チョット聞いて呉れよ!」
 と、皆に呼び掛けた。
 「何んだ、何んだ・・・・宗ちゃんが改まって」
 と言いながらも、皆が静かになると、宗ちゃんは言った
 「なあ、皆んなよう・・・・実は、八岳さんがノームの新しい名前を考えただよ・・・・」
 と言ったもんだから
 「・・・・」
 一瞬、皆の顔が緊張した。
 だが、その同じ瞬間に、僕は品ちゃんに向かって声を掛けた
 「違うよ、品ちゃん!・・・・考え出したんじゃねえよ! 夢ン中で、ノームから聞いただよ・・・・」
 すると、品ちゃんは
 「あ、そーか! ・・・・なあ、よう、皆んなよう・・・・八岳さんが夢ん中で、ノームの言葉でノームのことをプティリッツァって言うんだって事をノームから聞いただと・・・・!」
 「・・・・?」
 「だから、これからその話を、八岳さんから皆ンなにして貰うからさあ、皆んなはどう思うか、皆んなの意見をチョット聞かせて呉れや・・・・」
 と言って、僕に目で合図をしたので、僕は座ったままで
 「・・・・実はさあ・・・・」
 と言ったあと、今までこのページに書いてきた事を、かい摘(つま)んで話し、皆んなからの反応を待つことにしてみると、
 「プティリッツァって言うのは、小海の連中には、チト憶えるのが大変じゃねえですかい?」
 とか・・・・・・
 「特にジッチャマ、バッチャマには、へえ、憶えるのがとても大変だと思うけれど・・・」
 「子供達にも、憶えるのが大変だと思うけど・・・・」
 等々、色々な意見が出てなかなか意見がまとまらない。

 そこで、さっきから隅の方で、静かに煙草を吸っていたデザイナーの勝っちゃんに
 「よう、勝っちゃんよお! 勝っちゃんはどう思うだい・・・・?」
 と僕が声を掛けると
 「そうだ、勝彦! お前エは、どう思うだい?」
 と、勝っちゃんの発言を求める声が他にも上がった
 すると、勝っちゃんは
 「オレですかア?・・・・俺は、俺は、プティリッツァって言い名前だと思いますよ。・・・・なんか、響きに北欧の感じがあって・・・・いいじゃないですか!」
 と言って、ひと息つくと、その先を続けた。
 「さっきから聞いてるとさあ、”プティリッツァっていう名前を憶えるのが大変だ”っていう意見が結構でているけどさあ・・・・俺はそんなこと無いと思うんですよ・・・・! だってさあ、テレビのコマーシャルなんかで薬の名前だとか会社の名前なんかを何回か聞いたら、結構ムツカシイ名前なんかも知らない間に憶えちゃうじゃないですか? ・・・・あれと、いっしょですよ! ・・・・それに、小さい子供つったって、そんなの関係ないですよ! ハッキリ言って、新しい言葉だったら、子供の方が憶えるのはオトナよかズット早ええって!・・・・それから、もう一つ・・・・」
 と、勝っちゃんは煙草を灰皿で揉み消すと、更に先を続けた
 「今度の話で、一番いいのはですねえ・・・・八岳さんがプティリッツァの夢を見たっつうことだと思うんですよ、オレ・・・・・! これってさあ・・・・八岳さんだからいいんであって、オレだとか、拓ちゃんだとか・・・・他の奴じゃ絶対に駄目なんだって・・・・!」
 ・・・・と言って、勝っちゃんが息をついた瞬間に、
 品ちゃんこと宗ちゃんが勝っちゃんの言葉を引き継いで言った・・・・
 「俺も、勝彦の言う通りだと思うよ! これは・・・・な!・・・・八岳さんが夢見たっちゅうから、俺達 ”ああ、そうか!”って思うけど・・・・これがハルマサ(晴正)あたりが言ってみ〜!・・・・”何にい、バカな事〜言ってるだい!!”・・・・ってな、事になっちまう・・・・!」
 ・・・・品ちゃんの言葉に皆はゲラゲラと笑って、役場の井上晴正係長の方を見た。
 「な、・・・・だから、この間、八岳さんがオレっちの事務所に来て、この話した時によ!・・・・俺も勝彦と一緒!・・・・俺は八岳さんに言っただよ・・・・”これは、八岳さんが夢見たって言うからいいだよ! 他の奴じゃ絶対に駄目だっ!!”って、・・・・! なっ?」
 と言って、品ちゃんは僕の同意を求めた。
 ・・・・すると、この時まで、皆のいう事をジッと聞いていた嶋田座長が言葉をはさんだ。
 「・・・・勝っちゃんも、宗ちゃんも・・・・ああ、言ってるんですから、この線で動いてみましょうよ!・・・・それに、私自身も、この話って・・・・とてもいい話だと思いますよ。・・・・兎に角、小海塾も今までのように ”ああでもない”、”こうでもない”っていっちゃあ、何も行動しないんじゃなくって・・・・折角、こうしていい方向に動き始めてるんですから、出来るとこまでやってみましょうよ!・・・・そして、やってみて、もし、駄目だったら、その時、また皆んなで考えてみましょうよ・・・・!!・・・・どうですか??」

 ・・・・この塾長の言葉がまとめの言葉となり
 「そうだよなあ、ここで、モタついてたら、また振出しに戻っちまう!」
 「兎に角、やってみようじゃん! うまく行かなくても、もともとだよ・・・」
 「そうだ、そうだ・・・・この話に悪いところは一つも無えだから!」
 「よーし、やろう、やろう!!」
 ということで、
 この日、初めて
 小海塾の新しい路線・・・・
 「ノームの言葉でノームのことをプティリッツァ (Ptylitza) と言う・・・・!!」
が確認されたのです・・・・!!

( 1999-12-26 記 )    



  

 その後、筆者は、チャンスがある度に、このプティリッツァ (Ptylitza) の話を、なるべく沢山の人に伝えるように努めて参りましたが、今年(1999 年)の初夏に、こんなに楽しい会話を持てたひとときがありましたので、その時の事をここに記しておく事に致します。

 ・・・・でも、誤解しないで下さい!

 これから記す会話を持てるようなお嬢さんて言うのは、そんなに沢山いる訳ではないのです。・・・・と、言いますのは、ノームが現実にこの世の中に存在するという事を信じている人は、男でも女手も、そんなに沢山いる訳ではありませんので・・・・・・!!  

   
 ・・・・・さて・・・・・・
 今年(1999 年)の初夏。
 ノームが大好きだと言う或る若いお嬢さんと、東京はお茶の水の・・・・とある小さな喫茶店で話をしていた時の事でした。
 僕が・・・・・
「ねえ、ねえ・・・・ノーム (Gnome)って、何処の国の言葉だか知ってる?」
と聞くと、彼女の曰く・・・・
「うーん、よく分かんないけど、英語じゃないの?」
 と、素直に答えて呉れました。
 ・・・・そこで、僕が・・・・
「ピン、ポーン・・・・大当たりい!! じゃあ、ドイツ語では、何んというか知っている?」
 と、聞くと、不意を突かれたこのお嬢さん、暫くの間(さあ、困った!!)というように、可愛らしい顔をしかめていましたが・・・・自信の無さそうな小さな声で僕に言いました。
「やっぱり、ノームじゃないのかしら・・・?」
「そう、思う?」
「うん、そう思う・・・・!!」
「ホントにそう思う?」
「よく分からないけど、そう思う・・・・」
・・・・と、ますます自信のなさそうな小さな声で言ったので、僕が、
突然、大きな声でカラカイ半分に・・・・・・・
「ブーーーーッ!! はい、残念でした。 ドイツ語では、Heinzelmaenchen (ハインツェルメンヒェン)と言うんです・・・・」
と言うと、彼女も大きな声で笑いながら言いました。
「えーっ、全然違うんだア・・・・!!」
そこで、僕が・・・・
「そうなんだよ!! 全く、違うんだよね・・・・」
と、言うと、彼女は畳み掛けるように、僕に言ったんです。
「ねえ、ねえ、じゃあ教えて・・・・・フランス語では、何んと言うの?」
「フランス語?・・・・困ったな! 今、調べている所だから分からないんだよ・・・」
(★ その後、フランス語でも Gnome と言う事が分かりました。1999-11-29 記)
「じゃあ、いいわ! 他に、どんな国の言葉で知っているの?」
「えーとねえ・・・・オランダ語で Kabouter(カブーテル)」
「アラ、面白い・・・・他には?」
「アイルランド語で、 Gnome (ノーム)・・・・これは、英語と同じだよね!」
「じゃあ、ロシア語では何んと言うんだか知ってる?」
「・・・・Domovoi Djedoesjka(ドーマヴォイ・ジェードゥシュカ)・・・・・かな?」

「他には・・・・?」
「ポーランド語では Gnom、フィンランド語では Tonttu、デンマーク語では Tomte、そのお隣のスエーデン語では Tomtebisse、スペイン語では Gnomo、チェコ語では Skritek ・・・・・・・えーと、それから・・・・・」
と言うと、彼女ったら
「・・・・もういい・・・・もういい・・・・もう、憶えられない!!」
ですって。
 そこで、僕が
「何んだ、もういいの? ・・・・、つまらない!! ・・・・折角、教えて上げようとしたのに!!」
と言うと・・・・・
「あら、どうして? だって、そんなに沢山きいても、私、あたま悪いから憶えられないもの!」
「・・・・だってさ、どうしても聞いて欲しかった、大切な言葉が一つだけあったんだもの!!」
「えっ? 大切な言葉?」
「うん・・・・」
「私達が使っている日本語?」
「いや、違うね。・・・・だって、日本語では英語に習ってノーム (Gnome)って言っているのは知っているでしょ・・・・?」
「そうよねえ・・・・ノーム達の故里と言われている、フィンランド、スエーデン、デンマーク語では何んと言うか、もう聞いちゃったし・・・・・」
「分からない?」
と聞くと、彼女は二世代も、三世代も昔の”降参”なんていう言葉を使って言いました。
「うーん、降参!! 分からないわ・・・・・ 教えて! その大切な言葉って、何語なの?」
・・・・そこで、僕が勿体ぶって
「どうしようかな・・・?」
って言うと、彼女ったら
「・・・・・どうしてえ?」
ですって!!
「だって、”嘘っ!!”って言いそうだから・・・・!!」
「言わないわ、絶対に!!」
「そうかなあ・・・・」
「ホントよ・・・・絶対に言わないわ・・・・!」
「そうかなあ?・・・・でも、何んとなく言いそうだなあ・・・・」
と言うと、彼女は頭の上に小さな角を生やして、チョッピリすねて言いました。
「じゃあ、いいわよ、言わなくても・・・・ンもう、意地悪なんだから・・・・大っ嫌いっ!!」
「アワワワワ・・・・言うよ、言うよ・・・・言うってばさ!!」
・・・・・大慌てで、僕がアタフタと言うと、彼女は急に可笑しそうに笑って
「じゃあ、言って! それって、何語?」
と、言うじゃありませんか!
・・・・全く、女ってヤツは、どうして、こうなんだろ?
「え、うん・・・・・”のーむご”だよ・・・・!」
と言うと、彼女の曰く。
「なあに、”のーむご”って、何処の国の言葉なの?・・・・まさか、ノームの言葉だなんて言うんじゃないんでしょうね・・・・・?」
「いや、いや・・・・・その”まさか”のノーム (Gnome)語なんだよ・・・・いい?・・・・さっきから僕が大切な言葉だって言っているのは・・・・今も貴女が言った、その”まさか”のノーム達が話してる言葉の事なんだよ・・・・!!」
「ノーム達が話してる言葉ア・・・・?  ・・・・ウッソー!!」
「ホーラ、やっぱし”嘘っ!!”って言ったじゃないか・・・・!!」
「あ、そーか!・・・・でも、嘘でしょ?」
と、彼女。
「いや、ホントだよ・・・・」
と、僕?
「えーっ? やっぱし嘘よ・・・・!!」
と、また彼女。
「いや、ホントなんだってさ・・・・ホント、ホントのコンコンチキ!!」
と、また僕。
・・・・と、突然、彼女は態度を変えて
「エーっ!! なら、いいわよ! じゃあ、ノーム語でノーム (Gnome)のこと、何んて言うの?」
と言うので・・・・
「あなたは、どう思うか知れないけど・・・・・ノームの言葉でノーム (Gnome)のことをプティリッツァ (Ptylitza) って言うんだよ・・・!」
って僕がいうと、彼女は急に静かになって、不思議そうな目付きをして、小さな声で、尻上がりのイントネーションで僕に聞き返しました。
「プティリッツァ (Ptylitza) 〜〜〜?」
「うん、そう・・・・・プティリッツァ (Ptylitza) ・・・・・!!」
と、僕も小さな声で言うと
「プティリッツァ 、プティリッツァ、かあ・・・・どうも、ホントには思えないけど、プティリッツァ 、プティリッツァ、プティリッツァって繰り返して言っていると、何となくホントらしく聞こえて来るわよね・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「ホントらしく聞こえる・・・・なじゃなくて、ホントにホントなんだよ!!」
と、僕が言うと
「ホント、もしかすると、ホントかも知れない・・・・」
「違うって! ・・・・”かも知れない”じゃなくって、ホントなんだってば・・・・!」
と、言うと
「そうかあ、ホントなんだあ・・・」
と彼女。
そして、二人で大声で笑いだしてしまいました。

  

・・・・でもねえ、よく考えてみると、これって随分ヘンテコリンな会話だよねえ!!

  

・・・・暫くすると、静かに黙っていた彼女が言いました。
「じゃあ、これがノーム (Gnome)の言葉だっていうのは、どうして証明できるの?」
「えっ、証明かあ・・・・? 弱ったな・・・・証明は出来ないよ・・・・」
「なーんだ、じゃあ、やっぱり嘘なんだあ・・・」

「いや、あながち、一概に嘘とは言い切れないんだよ・・・・」
「あら、ドシテエ・・・・・?」
「だって、ノームから、そうだと聞いた人がいるんだもの・・・・・」
「またあ・・・・!」
「いや、ホントなんだよ!」
「ウッソー」
「イヤ、ホントだってさあ・・・・・ホント、ホント・・・・!!」
「またあ・・・・又、ホント、ホントのコンコンチキって言うんでしょ?」
「アハハハハ・・・・大当ったり〜〜!! 参ったさん、参ったさん・・・・!」
「じゃあ、もう”嘘っ!!”って言わないから、誰がノームから聞いたのか教えてよ・・・・!」
「ホントに ”ウッソー!!”って言わない?」
「ホント! 言(う)わない!」
「じゃあ、言うよね・・・・・・ボク!」
「えっ? 八岳さん?」
「うん、ボク・・・・」
「ウッ・・・・・」
「”ウッソー!!”って言いたいんでしょ!!」
「うん、言いたいけど・・・・約束したから言わない!」
「ハハハハハハ・・・・・」
「ハハハハハハ・・・・・」

  

と、明るく笑った彼女が、またボクに聞きました。
「ねえ、じゃあ、いつ・・・・どこで聞いたの・・・・?」
「えーと、今年(1999 年)の 3 月 26 日の明け方だったと思うけど、夢の中で・・・・」
「エッ? 夢の中でエ・・・・?」
「そう、夢の中で・・・・」
「・・・・でもさあ、夢の中じゃあ、何んとなく現実性に乏しいんじゃない?」
「そうかなあ・・・・?」
「だってえ・・・・現実に聞いた訳じゃないんでしょ?」
「・・・・そりゃあ、そうだけど・・・・でも、夢の中でノームから聞いたってえ事は事実だし・・・・それに・・・・Ptylitza っていう単語をみていると、何んとなく人間離れをした言葉だと思うんだよね・・・・!!」
「どれ、どれ・・・・えーと・・・・ピー、ティー、ワイ、エル・・・・っと、 そう言われてみれば、確かに、珍しい単語よね・・・・」
「な、そうだろう?」
「うん、言えてる・・・・だって、ピー、ティー、ワイ、エル、の四文字で始まる言葉って、そう沢山ないんじゃない・・・・?」
「な・・・・?」
「うん、調べて見たら・・・・面白いんじゃない?」
「何がさ?」
「だって、八岳さんのおうちに、いろんな言葉の辞書があるって言ってたじゃない?」
「うん、少しはあるけど・・・・・」
「その辞書に、P-T-Y-L- で始まる単語があるかどうか調べてみるのよ!」
「ああ、それか・・・・それなら、もう調べてみたよ・・・・・」
「そう? ・・・・それで、どうだったの?」
「P-T- で始まる単語はいくつかあったけど、P-T-Y- で始まる単語はなかったとおもうけど・・・・」
「それじゃ、まして P-T-Y-L- で始まる単語なんてないんじゃない?」
「うん、皆無だと思うよ・・・・・」
「でもさあ、それって・・・・何語と何語の辞書で調べたの・・・・?」
「えーとねえ・・・・英語でしょ、それから、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポーランド語、スエーデン語、トルコ語、エスペラント語、・・・・それからロシア語・・・・だったかな?」
「ねえ、ねえ、・・・・ロシア語って普通のアルファベットじゃないんでしょ?」
「うん、違うね・・・・」
「じゃあ、どうやって調べたの?」
「エートねえ・・・・文字は違うけど、ロシア語だってアルファベットはあるんだよ・・・」
「そう?」
「うん、そう・・・・だから似たような音の・・・・ペー、テー、イー、エル、・・・・と、ペー、テー、ウィ、エル、・・・・の 2 種類の音について調べてみたんだよ・・・・・だけど、やっぱり、ロシア語にも、このスペルは見当たらなかったって訳・・・・・」
「ウーン、難しくて、よく分かんないけど・・・・・だと、すると、このプティリッツァ (Ptylitza) っていう言葉は、八岳さんが言うように、人間の言葉じゃないかも知れないわよね・・・・」
「な、そう思うだろ?・・・・だから、夢で見たからって言って、あながちウソだとは言えないっていう訳さ・・・・」
「そうよねえ!! なんか、プティリッツァ (Ptylitza) って、ホントにノーム (Gnome)の言葉かも知れないって、思うようになって来ちゃった・・・・・」
「・・・・おや、おや、又かよ・・・・さっきも言ったでしょ!!・・・・”かも知れないじゃ”なくって・・・・」
「ホントに 、ノーム の言葉である・・・・!!」
「その通り、プティリッツァ (Ptylitza) はホントにノームの言葉である・・どう、信じる?」
「・・・そうです。プティリッツァはホントにノームの言葉である!!」
「うん、大変よろしい・・・・」
「ハハハハハハハハ・・・・・」
「ハハハハハハハハ・・・・・」

  

 それから、1 時間程のち、喫茶店を出た僕とP子がお茶の水の駅の方にブラブラと歩いて行くと、突然、P子が道端で足を止めてしまったのである。
 「・・・・どうしたの?」
 僕が、彼女の方を振り返って言うと、彼女はユックリと歩き出しながら・・・・
「あの、さあ・・・・・」
と、言ったあと、一つ、一つ、言葉を探しながら、こんな事を言ったのである。
「あの、さあ・・・・・昔から、いろんな人がいたわよね・・・・」
「え?」
「あの、ほら、ジャンヌ・ダルクだとか・・・・マホメッドだとか・・・・どこかの国の預言者だとかさあ・・・・」
「うん、いたよね・・・・」
「あの人達ってさあ・・・・よく、夢の中で、神様の啓示って言ったっけ・・・・ほら、神様があの人達に現れて、神様の言葉を聞いたりするじゃない・・・・!」
「うん・・・・」
「だとしたらさあ・・・・八岳さんが、ホントにプティリッツァの囁き(ささやき)を聞いたって、可笑しくないわよねえ・・・・!!」
「アワワワワ・・・・僕は、ジャンヌ・ダルクや、マホメッドや、預言者のように神様の啓示を受けるほど、偉かーねーよ・・・・!!」
「分かってるわよ、そんな事・・・・!! だから、啓示なんて言わなかったでしょ!!・・・・確か、ノームのササヤキ(囁き)って言ったはずよ・・・・」
「コイツ!!」
・・・・と言うと同時に、僕は、右手の人さし指を真っすぐに立てると、可愛らしい彼女のお鼻をチョン!・・・・と、突っついた・・・・・・
「アハハハハ・・・・・怒った?」
と、彼女。
「いいや、ホッとしたんだよ・・・・・アハハハハ・・・・」
と、本当にホッとして言うと、P子ったら・・・・
「そこが、八岳さんらしいのよね・・・・!! アハハハハ・・・・・」
・・・・・ですって・・・・・・サ!!

 
でも、こんなに楽しい会話が持てた事自体が・・・・・・・・
プティリッツァのプレゼントかも知れませんね!!

( 1999-10-24 記 )
  

(おわり)

    

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