2002-06-06
今日、家内と2人でアンズ獲りをした。
僕が庭の大きなアンズの木に登って、
高枝切りでアンズの実を取ると
家内が長い柄をつけた捕虫網で、アンズを受け取って呉れる
アンズの実は、
地面の上に立っている家内のほうが、自由に位置を変えられるから
不自由な枝の上に跨(またが)っている僕よりも、ずっとよく見える筈!
・・・・・・だから、家内の言葉に合わせて、
僕は、高枝切りの長さを調節する
「あ、その枝の先の、細い枝の先に、も一つあるわよ」と、家内
「エーッ、どれえ? こっからじゃ、よく見えねえよ・・・・・・!」
「そうかなあ、高枝切りの刃のすぐ下にあるんだけど・・・・・・」
「どれどれ? ・・・・・・あ、こいつ・・・・・・・?」
「そう、それそれ・・・・・・それよ、それ・・・・・・・・・!!」
家内の声が、子供の声のように下から聞こえてくる
小一時間もすると、目の届く範囲の熟した実は
ほとんど全部取ってしまった。
「あとは木のテッペンの方に残ってるヤツだけど、
・・・・・・こいつは、木を揺するしかないよ!
いいかい? 木を揺するよ・・・・・・・!!
エーイ! ヤケノヤンパチ・・・・・・!!」
少年時代の掛け声を掛けて、木を揺すると・・・・・
アンズの実は、バラバラと地面に落ちた。
木を揺すりながら、僕は空を見上げた。
・・・・・・・晴れ上がった空に、白雲が流れて行く。
僕は、フト、学校から帰ると
いつも、庭の大きな柿の木に登り
歌を歌ったり、笛を吹いていた
小学生の頃を思い出した。
午後。
思わず欠伸(あくび)が出そうなほど、静かで退屈な居間で
ソファーの上に腹ばいになって昼寝をしようとしたら、
午前中、家内が床の上に置いたアンズの実が目にとまった。
「・・・・・・・・・・?」
見ているうちに、フト、思いついて・・・・・・・
笊(ざる)の中に、オレンジ色のピンポン球を入れてみた
そしたら、何んと見事に、ピンポン球がアンズに化けてしまった。
「家内のヤツ、早く帰って来ないかな?」
そんな事を、フト、思った僕・・・・・・・・
ピンポン球を摘み上げた時の
家内の驚く顔が、早く見たかったからである。
・・・・このアンズの中に、ピンポン球が 1 ケ混ざってます・・・・
それが何(ど)れだか、分りますか?
(中野にて)