クリスマス・ツリー
2000-12-20
朝食後、突然、「気持ち悪い」と家内がトイレに駆け込んだ・・・・
出てくると、顔色が余りよくない・・・
「どうしたの・・・?」
「大丈夫・・・・?」
「お医者さんに行ったら・・・・?」
「今朝、僕も、コッチロも、貴方も・・・・皆、同じものを食べたよねえ?」
「風邪かなあ・・・・?」
「きのう、人込みの中に出なかった・・・?」
僕は、家内の周りをもうオロオロとするばかり・・・・!!
体の調子が少し落ち着くのを待って、家内は中野総合病院に出掛けたが、
家内がいなくなった家の中は、何か、とても淋しい・・・・
いつもは、賑やかに感じる玄関ホールの
小さなクリスマス・ツリーの豆電球の点滅も、
何故かとても物哀しげだ・・・・・
「一緒に病院に行こうか・・・・?」
と言うと
「いいわよ。大丈夫・・・・・」
と言った家内。
「じゃあ、気を付けてね・・・・」
と言って彼女を送りだした後、
僕はパソコンで年賀状を印刷し始めたが・・・・
可哀相で何かが落ち着かない。
「一体、どうしたのかな?」
「・・・・行く途中で、気持ちが悪くならなかったかな・・・・?」
そんな事を考えていたら、
年賀状30枚の文面に、宛先をダブッて印刷をしてしまった。
・・・・オヤオヤオヤ・・・・!!
午後3時過ぎに、家内から電話があった。
「今、生協に来てるの?」
「お医者さん、何んだって・・・・・?」
「何んでもないって! ・・・そういった事、時々ありますよって、笑ってたわ・・・!」
「そう、よかったね・・・」
「うん・・・・・」
「体の調子は・・・・?」
「・・・・うん、大丈夫・・・・」
「そう、じゃあ気を付けてね・・・・居間のストーブ点(つ)けとくから・・・・」
「うん、お願い・・・・嬉しいわ・・・・」
「じゃあね・・・・!」
「じゃあね・・・・!」
電話を切ったあと、居間のストーブのスイッチを入れに、
階下に下りて、玄関ロビーを通ったら、
クリスマス・ツリーの豆電球は元気よく瞬いていた・・・・
クリスマス・ツリーも喜んでるのかな・・・・?
・・・・そう思うと・・・・僕は嬉しくなって、
クリスマス・ツリーに、そっと囁いてしまった・・・・
「・・・・どうも有り難う・・・・!!」