( 2000-01-19 の日記より)
もう5 日も薬を飲んでいるのに
こじれた風邪は、まだスッカリとは、良くなっていない
静かに雪の降り積もる朝。
朝食を食べていたら、ストーブの灯油が・・・・・
残り少ない事を、フト思い出した。
風邪の朝は、何をするのもけだるく
部屋の中の空気さえもが、熱っぽく感じられる。
食卓の椅子の背にゆったりと体重をかけ
雪の庭をボンヤリと眺めている僕。
・・・・ティタのギターの音が、室内の静かな時を刻んでいる。
本当はそんな気もないのに久方振りにスペイン語の教科書を開いて見ている僕。
Vocablario-expresiones, Preguntas,
Esquema gramatical, Ejersisios...............
・・・・僕はスペイン語の音が大好きである。
教科書をたどたどしく読んでいくと・・・・スペイン語のあの美しさに目がくらみ
教科書を食べてしまいたい思いに駆られる。
そんな時、ティタのギターが大好きな ”Lagrima”に変わったせいだろうか
突然、「生きてるっていいな!」と涙が溢れてきた。
今迄、何度夢見た事だろう!
スペインの片田舎の石の家に棲み
ロバの通る狭い石畳をユックリと歩き
知りあったばかりの村の人に
”! Buenos Dias ! ”って声を掛けることを!
青い空、白い家・・・・・・・
僕の想いは遥かな遠(と)つ国へと飛んでいく。
・・・・でも、我に還ると、庭は静かな一面の雪。
僕は熱っぽい手でスペイン語の教科書を撫でながら、ふと呟いた。
「晴子ちゃまは、今頃、何をしているだろうか?」
・・・・彼女は、心優しいスペイン語の先生である・・・・!