2008 年 12 月の高原日記
2008-12-01(金) 晴 ヒュッテ 気温(最低= -5.6℃、最高= 9℃)
最近、抹茶をたてて飲むことが多くなった。
抹茶をたてると言ったって、流儀も何も無いし、作法の 「さ」 も全く知らない。
ただ、美味しいから飲んでいるだけの話しである。ところで、我が家には、家内がお茶名とやらを持っている為に、幾つかの抹茶茶碗があるが、僕が一番大切にしているのが、下の写真の抹茶茶碗である。
この茶碗以外の茶碗は、全部プロが作ったもので、中には有名な作家のつくった作品もあるが・・・・・・この茶碗は、僕がまだソニーのサラリーマンだった頃、僕の下で仕事をしていた Rie という女の子が作った手作りの抹茶茶碗である。 ・・・・・・ Rie は、とても聡明で素敵な女の子だったけど、人事異動で、別の部に移る事になった時、僕の所にソッとやって来て、自分は趣味で陶器作りをやっていたが、この抹茶茶碗は自分の作品の中で、一番良くで来た作品なので、今迄お世話になったお礼に差し上げたいので、是非、使って下さいと言って、記念に贈って呉れた茶碗である。
その Rie の気持ちが嬉しくて、優秀なプロが造った他の抹茶茶碗よりも、ズ〜〜ッと大切に使い続けて来たのが、この抹茶茶碗である。
今日もそう!
・・・・・・メッチャ忙しいスケジュールの合間に・・・・・・ひとり静かに、お茶を立て、香り豊かな抹茶を口に含んだら・・・・・・何故か知らないけど、物凄くホッとした気持ちになり、思わず、Rie のことを懐かしく思い出した次第である。そう・・・・・・もう、あれから25年ほどの時間が経ったけど、その間に・・・・・・Rie は、ソニーを退職したあと、イタリア語を勉強して、イタリアに何年か行っていたけど・・・・・・今頃、どうしているのだろう?
是非、もう一度・・・・・会って話がしたいものである・・・・・・
2008-12-08(火) 晴 ヒュッテ 気温(最低= -6.9℃、最高= 7℃)
午後、何んの気なしに、もうボロボロになった往時の旺文社発行の 「学生愛唱歌集」 を開いて、古い歌の楽譜を眺めていたら、終りの方に、「ローレライ」の歌の楽譜が載っているのに気が付いた。
・・・・・・そのぺーじを開き・・・・・・なじかは知らねど心わびて
昔のつたえも心みにしむ
静かにくれゆくラインの流れ
入日にやまやまあかく映ゆる・・・・・・ etc. etc.
静かに歌っていたら、ふと、昔、昔の中学生時代・・・・・・・
僕のクラスに居た、とっても美しくて、勉強ので来た asai さんという素敵な女の子の事を思い出した。
実は、去年の秋のことだったけど・・・・・・その asai さんの住所を、小学校時代に、これまた勉強の出来た w さんという、もう一人の素敵な女のクラスメートから聞いた僕は、懐かしさに駆られて、こともあろうに、突然・・・・・・14ページにもわたる長い手紙を書いて、 asai さん宛に出したのである。勿論、僕が asai さん宛に手紙を出したのは、生まれてからこの方、その時が初めての事である。 ・・・・・とういのは、僕が中学生だった、昭和24〜26年の頃なんていうのは、男女共学という事で、男の子と女の子が同じクラスで一緒に勉強をしてはいたものの、今の子供達の様に、男の子と女の子が仲良くお喋りするなんて言う事は殆ど無かったからである。
・・・・・・ということで、中学校時代に憧れていた、同じクラスの素敵な女の子の asai さんに、僕は去年の秋になって、初めて手紙を出したのであるが・・・・・・幸い、後々の思いでの為にと、その時、コピーを取って置いたのを思い出し・・・・・・前述の様に、ローレライの歌を口ずさみ、asai さんのことを思いだ出した僕は、そのコピーを、何んの気無しに手にとってみたのである。
そしたら・・・・・何という事!
手紙のコピーの最後に書いてあった日付けが・・・・・・何んという偶然、12月8日・・・・・・去年の今日だったのである。「エエッ? ウッソ〜・・・・!!」
・・・・・・信じられないような偶然に、呆気に取られていた僕は (もしかすると、僕はポカンと口を空いていたかも知れない) ・・・・・・暫くしてから・・・・・・
「そうだ、asai さんに電話をかけてみよう・・・・・・」
と、不意に思い立ったのである。
「・・・・・・でも、後で後悔する事は無い?」
そんな事を考えつつ、自分の気持ちに変わりがない事をたしかめてから、、居間のソファーに移動すると、僕は傍らの電話器から受話器を取り、w さんから、住所と一緒に教えて貰った asai さんの家の電話番号をプッシュした。03−xxxx−xxxx
プルルル・・・・プルルル・・・・・
受話器の奥から、呼び出し音が数回聞こえ・・・・・受話器を取る音が聞こえると・・・・・
「・・・・・・はい、もしもし・・・・・・」
静かな女性の声が聞こえて来た。
(これは、僕が知っている asai さんだろうか? それとも、ご家族の方の声だろうか?) ・・・・・・そんな事を考えつつ、僕はその声の主に話しかけた。
「もしもし・・・・・・ asai さんのお宅でしょうか?」
「はい、そうですが・・・・・・」
「恐れ入りますが、n子さん、いらっしゃいますか?」
「・・・・・・ n子ですか? 只今、近くまで出掛けていて、留守にしておりますが・・・・・・どちら様でしょうか?」
「失礼致しました。・・・・・・わたし、中学校時代に n子さんと同じクラスにおりました八岳と申しますが・・・・・・」
「・・・・・・中学校って、あの子は、確か n中だった筈ですが・・・・・・」
「ええ、そうです。 n子さんは、確か H小学校から N中に入られた様に記憶していますが、私は M小学校から N中に入ったんです。・・・・・・そうしたら、同じクラスに asai さんがいらして・・・・・・asai さんて、物凄く勉強の出来た女の子だったんです・・・・・・」
すると、n子さんのお姉さまは・・・・・・驚きを声に滲ませ手
「あの子がですか・・・・・・?」
と言わされたので、今度はこちらがビックリ・・・・・
(エッ、そんな事も知らないの・・・・・・?」
etc. etc. ・・・・・・・
・・・・・・それから小一時間程も僕達二人は話し続ける事になってしまったのである。(つづく)
2008-12-21(日) 晴 ヒュッテ 気温(最低= -3℃、最高= 13℃)
今日は冬至! 平たく言えば、今日が一年中で、一番、昼間の短い日ということである。 事実、今朝、林の奥から太陽が姿をみせたのは、8時半過ぎ。 きのうの午後4時半頃に、辺りの散歩に出掛けたが、30分ほどして家の近くまで戻って来たとき、もう、辺りは暗くなっていて、お星様がでていたのを見ても、昼間の長さが、短くなっているのを実感させられる。
・・・・・・話は変るが、今日の午後、所用で佐久穂町の社会福祉会館に出掛けた時のことである。奥の会議室のお座敷に屏風があり、何枚かの短冊が掛かっていたので、側に行き、それらの短冊に書かれていた俳句を、何気なく、眺めていたが、何枚目かの作品に目を移した時のことである。 突然、体全体が、ハッと緊張するような一句があったので、何回か繰り返して読んでみると・・・・・・
そこには・・・・・・春の風 髪を押さえて 若い女(ひと)
・・・・・・という一句が書かれていた。
この一句の中の 「若い人(ひと)」が、実に素晴らしい!!
・・・・・・僕も、このような素晴らしい一句を作ってみたいものと、沁み々々と思った次第である。