200706 月の高原日記

    

2007-06-01(金)    曇のち晴     ヒュッテ     気温(最低= 8℃、最高= 19℃)

 午後、山を下って町まで買い物に出掛けた時、工事中の温泉の前を通ったら、7月1日オープンの看板がたっていたので、早速、デジカメに収めてきた。 

もう少し看板の周囲がキレイに片付いていると
いいんだけど・・・・

       

        

2007-06-06(水)     曇     ヒュッテ     気温(最低= 8℃、最高= 19℃)

            

      
ライラックに続いて
レンゲツツジも満開になりました。

今朝は梅雨を思わせるような
シットリとした
哀しい位に静かな雨の朝

ドンヨリと曇った空を眺めていたら
・・・・・・その美しさに
思わずホッと
溜息をついてしまいました。

そうしたら
あの爽やかなツツジの香りが
胸一杯に拡がりました

    

         

2007-06-16(水)     曇     ヒュッテ     気温(最低= 8℃、最高= 25℃)

 午前4時50分、今朝もこんな時間に寝床に入ろうとしたが、気が付くと、カーテンの端から朝のねずみ色の光が漏れていたので、ベッドの正面のカーテンをサッと開くと、一瞬、ベッドの梯子に朝の柔らかい光が当ったので、
 「エッ? 何故?」
 と、思わず、窓の外を覗くと、なんと・・・・・・北東に面している筈の窓の正面に見える、手作りのログハウスの向こうに、清々しい朝の光が、見えているではないか?
 「・・・・・・って言う事は、この窓が、本当は東北東に面しているっていう事???」
 ビックリして、僕は改めて、後ろのベッドの方を振り返ってみた。
 ・・・・・・間違えない。
    

窓のカーテンを開けると
ベッドの梯子に、朝の柔らかい光が・・・・・・
でも、何故〜〜〜ッ?
       

エッ? 
何故、こんな方角に朝日がみえるの〜〜?
      

 今まで、東北に面していたこの窓が、実は東北東あたりに面していたんだ・・・・・?」

 何んだか、とても嬉しくなった僕は、そのまま、ベッドに飛び込むとアッと言う間に、深い眠りに落ちてしまった。

    

2007-06-23(土)     晴     ヒュッテ     気温(最低= 16℃、最高= 25℃)

 今日は夏至祭の日!
 夏至祭とは、毎年、小海町にある、フィンランド人達の休暇村で開かれる、フィンランドで2番目に大きなお祭の夏至祭に、小海の人達を中心にした、地元の人達が参加するという、大変に珍しいお祭です。
 ・・・・・・そして、このフィンランド・ヴィリッジの夏至祭も、フィンランド本国の夏至祭に合わせて、夏至の日の後の最初の土曜日に開かれます。

 さて、今日のお天気は・・・・・・きのうは終日、あんなにも雨が降っていたのに、今日はカラリと晴れた素晴らしい日本晴れの一日。
 普通ならば、毎年のように、今回も、朝早くから Finland Village に出向いて、馬鹿でかいコッコ(キャンプファイヤーの大きなもの)を組み立てるのに参加さるのだが、今回は、たまたま、夏至祭の前夜が、TA Final Day に当り、当夜の帰宅が午前様になることが、もう、見え見えだった為、今回は、10時半過ぎからの途中参加とさせていただく事にしたが、僕が現場に着いた時には、もう、コッコは可なり出来上がっていました。 ・・・・・・クシュン!

 どうです、この素敵なコッコの佇まいは・・・・・・??
 昨年のコッコより、美しい姿に仕上がりました。

   

 コッコの組み上げに参加して下さったのは
 この夏至祭の話を聞いて、集まってきて下さった、自然愛好家、森林ボランティア、
町の観光協会の方々、町興しの「こうみ塾」の皆さん、役場の方々・・・・・・等々
その裾野は、毎年、広がりつつあります。
上の写真で、バックにとおく見える山々は、夏沢峠より北にある北八つ(北八ヶ岳)の峰峰です。


コッコが組み上がると、
最後に、着火口を開け・・・・・・それが終わるとコッコの完成です。
上の写真の、画面右下に沢山置いてあるのが
小海町に棲んでいると謂われている
町のシンボルの小さな妖精のプティリッツァの人形達。
このお人形さん達は、古くなると・・・・・・
毎年のように、こうして、夏至祭の日に、コッコの火で焼かれ
元の自然の中に戻っていくのです。
コノ画面でひと言追加・・・・・・
画面左側に立っている髭メガネのお兄様が
プティリッツァのオリジナル・デザイナーの 「勝ちゃん」です!

南北両八ヶ岳を背景に・・・・・・コッコの前で、「ハイ、ポーズ!」
清々しく透き徹った、高原の空気と眩しい夏の陽光が、
とても爽やかでした・・・・・・! ところで、画面左上・・・・・
の雲の中に八ケ岳主峰の赤岳は、姿を隠していました。

   

   
一方、今回の会場となる本部前では・・・・・・
日・フィ 両国旗を飾った、テントの組み立てが進行中・・・・・・

二つの国の国旗を並べて掲揚する場合は
向かって左が上位になる為
相手側の国旗を左側に置くのが、国際的な礼儀となっています。

       

    

     
松原湖高原の夏至祭の夕べを彩るのは、皆で組み立てた大型のコッコだけではなく、
涼しげな長湖の水面を、爽やかに飾る水上コッコもあります。

この「水上コッコ」の発案者は、フィンランド・ヴィリッジのビューステットさん。
実際の製作に当ったのは、「工房あらい」 の新井公男さんです。
上の2葉の写真で、青の菜っ葉服にカンカン帽、首にタオルを巻いたのが、その 「公サ」 です。

上の左の写真は、燃焼台の上に焚き付けのおが屑を盛ったところ
右の写真は、その「おが屑」にの上に、コッコを組み上げたところです。
どうです? 素敵でしょう・・・・・・?????

    

今年は、今迄に無い・・・・・・新しい企画が加わりました。
それが、この長湖の岸辺の芝生の上と、長湖の水面に浮かぶ、
1000 個のローソクの明り、夜になるのが、とても待ち遠いですよネ!

   

午後5時・・・・・・
例年のように、まず、観光協会長のご挨拶
黒澤会長の挨拶は、簡単明瞭、とても元気なショートスピーチでした。

    

それに続いて・・・・・・フィンランド側代表の日本語のスピーチ。

夏至祭の由来と、その今昔物語!
 夏至祭の夜、娘さん達が・・・・・・代表的なフィンランドの七草の乾し草を
枕の下に入れて眠ると、その夜に夢見た男性と結婚するという
言い伝えのお話は・・・・・・何か、とても奥ゆかしく、そして、ロマンチックでした!

    

本部前の芝生は、ご覧の通りの大盛況
テーブルの上には、色々なご馳走がならんでいます

   

・・・・・・そして、日没の頃を合図に
日フィ双方の代表者により、コッコに火が灯されます。

一番左の白ハットの男性は町長さんでした。

    

    

   
暮れなずむ松原湖高原の夏至の夕空を飾る、美しいコッコの灯・・・・・・・

背景を飾る、八ヶ岳連峰のロマンチックなシルエットも・・・・・・
今の時間は、主峰の赤岳もハッキリと見えています(右の写真の左端)!

    

夏至祭には、色々な行事が盛り沢山!
音楽堂のクラシック、ヴォーカル、サキソフォーン等のコンサート
野外コンサートでは、合唱、ラテン系、パーカッション等々の聴いてヨシ、
踊って楽しい夏の夕べの音楽が目白押し!

上の写真は、お楽しみの賞品が沢山の、ビンゴゲーム
・・・・・・将に、ビンゴビンゴで夜も更ける〜〜〜〜ってェ訳です!!

     

日没時間が過ぎると、いよいよ水上コッコに火が灯り
1000個のローソク・ランプに明りが灯ります・・・・・・

どうです? 素敵でしょう・・・・・・?????

      

    

この辺りから、もう、本当のダンシング・タイム・・・・・・
色々なグループの飛び入りがあったり
パーカッションやギターの名手が現れたり・・・・・・と
夜の更けるのも忘れてしまいそうです!!

    

ギターヴォーカルやパーカッションの熱演に合わせて踊り狂う人々!!

パエリヤ、ステーキ、サラダ、竹の子の炭火焼き・・・・・・等々に
ビール、日本酒に、ワインや小海町名産のヤーコン焼酎も・・・・・・!!

もう、こうなって来ると、ダンシング・タイム・・・・・・と言うよりは
猫も杓子も、誰でもが参加する、盆踊りさながらの賑わい様・・・・・・

 

ネエ、物凄いでしょう?!
中央の身長 2m の長身の アメリカ人の Bill、アイリッシュ・ガールの Mai****、
音楽が鳴ると、直ぐに体が動き出してしまう Yoshi、
どちらかと言うと、チョッピリはにかみ屋の勝っちゃんも・・・・・
鉢巻頭の手に缶ビール・・・・という出で立ちで、踊りの輪に入っているから面白いです!

ここから先は、このサイトの責任者の八岳晴耕も、踊りの輪の中に飛び込んで仕舞った為
写真のネタが無くなって仕舞いました! だから、今日の日記もここで終わり・・・・・・です!

     

    
イイエ・・・・・・あと1枚だけ、シャッターを押していました。
それは・・・・・・踊りの波の中で見付けた、僕のフィンランド人の友人の Mr.Bystedt と
僕達2人の共通の友達の Mai の写真でした。

2人を見付けた時、僕が
“ Hi, Clas! Let me take your picture with Mai !” と叫ぶと
こんな風にポーズをとって呉れました。

    とっても、素敵な写真ですよね・・・・・!!
そう言えば、昼間は、この Clas が、僕と Mai の写真を撮って呉れました。
そのうち、その写真と上の写真を
思い出の写真集に、並べて飾る事に致しましょう・・・・・・!!


  

2007-06-24(日)     曇     ヒュッテ     気温(最低= ℃、最高= ℃)

 一夜明けた夏至祭の会場。
 昨夜、あんなに大勢の人達で賑わっていたフィンランド・ヴィリッジも、ご覧の通りの静かな高原の湖の畔に戻っていました。

 美しい夏。
 爽やかな空気。
 ・・・・・・そして、遠い八ヶ岳を背景に残された、一塊のコッコの灰。
 よく見ると、灰の中からは、静かな一条の煙が立ち上っていました。
 でも、考えてみると、この薄紫の煙にのって、沢山のプティリッツァの人形達は、元の大地の懐に戻っていったのかも知れません。

       

     
 そんな事を考えていたら、辺りの自然が急に優しく思えてきたから不思議です。
 さようなら、皆さん!
 さようなら、夏至祭2007!

 サア、これで梅雨が開けたら、松原湖高原には、純白の入道雲が輝く高原の夏がやって来るぞ〜〜〜〜!!      

      

       

2007-06-27(水)     晴     ヒュッテ     気温(最低= 12℃、最高= 25℃)

 今日は、松原湖高原八峰の湯のグランド・オープンの日である。
 今迄、長い年月を経て今日のオープンになったのであるが、その間には、温泉建設賛否両論から始まって、建設場所やデザインの問題、更には運営をどうするか等々、本当に色々なことが検討に継ぐ検討を重ねて討議され、今日のグランド・オープンの日を迎える事になりました。でも、このようにして出来上がってしまえば、今日からは、又、全く新しい歴史の1ページが始まるという訳です。
 そして、その全く新しい歴史の第 1 ページを開くのが、今日のグランド・オープンの意味なのである。

 それでは、記念すべき今日のグランド・オープンの式典の模様を・・・・・・写真で追ってみる事に致しましょう。


式典は午前10時から・・・・・
大勢の皆様が受付でチェックを済ませ
集まって下さいました。

       

今回の温泉建設に関係した
名士・著名人・建設関係の方々によるテープカット
爽やかな高原の青空の下
アルプホルンの演奏が響く中で
新しく加わった町の名所の歴史の第 1ページが
本日、オープンされました。

        

式典の会場は
温泉付属のレストランの座敷の大広間でした。
町議会議員諸氏、温泉建設検討委員の皆さん・・・・・・・
その他、町の要職に就かれている
方々の顔が見られます。

      

    

教育長の開会の辞に引き続く町長・議会議長のご挨拶

    

地元県会議員のご挨拶・建設会社代表への感謝状授与
        

    

八峰(やっほう)の湯の名付け親への感謝状授与
       

 そのあと、温泉施設の見学会がありました。
 ところで、至極、当たり前のことですが・・・・・・入浴施設に関しては
男性用と女性用の二つの入浴施設が御座います。・・・・・・でも、この二つの
施設から眺められる景色などは、微妙に違ったりしている為、男性用と女性用の
入浴施設は、一週間交代で、そのコーナーが代わります。

         

脱衣場
     

脱衣場
      

晴れた日なら
遠くにパノラマの様に美しい八ヶ岳の秀峰を望む
低温浴槽


いま、各地で・・・・・・
その入浴効果が話題になっている
岩盤浴

       

式典終了後、
温泉施設の見学会がありました。
これは、施設の一部の
露天風呂のカットです・・・・・・・

     

画面奥の塀の向こう側に・・・・・・
上の写真のもう一つの露天風呂が御座います・・・・・・
ですから・・・・・・
上の露天風呂とこの露天風呂は
一週間交代で、男性と女性が使い分けます。

 施設の見学会が終わると,全員が元の会場に戻り・・・・・・
「乾杯の音頭」に合わせて、美しい泡と共に、よく冷えたビールが注がれたグラスが
一斉に捧げられます。 ・・・・・・ウウッ、美味しそう・・・・・・!!
      

乾杯の音頭に合わせてグラスを掲げる
町議会議員さん達・・・・・
色々とご苦労様でした・・・・・!!

         

別のコーナーでは
温泉建設検討委員会の皆さん・・・・・・
各種の検討事項に対する
色々な角度からのご検討とご討論
 本当に有り難う御座いました。

 ・・・・・・と言う訳で・・・・・・
 和やかな雰囲気のうちに、今日のグランド・オープンの一日が過ぎて行きました。

 ・・・・・・サア、これで・・・・・・あとは 7月1日の一般の利用客の皆様へのオープンの日を
迎えるだけになりました。 この温泉施設の損益分岐点の入浴者数は、年間 13万人・・・・・・・
一日平均にならすと、350人/日という事になります。 
 本当に何人のお客様が、日々、お出で下さるでしょうか・・・・・・?
 そんな事を考えていると、この温泉をいつ迄も・いつ迄も、大切にして行きたいと
本当に、心からそう思います。

 ところで・・・・・・この八峰(やっほう)の湯を取り巻く、松原湖高原の景色は・・・・・・
いずれ別の日の日記でも紹介致しますが、本当に素晴らしいです!
 そして、この温泉の泉質も、折り紙つきの素晴らしさです・・・・・・!!

 それと、あと一つ・・・・・・灯りを含めた温泉のインテリアも、当初考えていたよりも
出来上がってみたら、ズットズット素敵でした!! 本当に

   Viva Yahhou! ・・・・・・です!!

 ・・・・・・そんな事を考えていると・・・・・・・
 もしかしたら、大勢のお客様の皆様から愛される温泉になるのではないかと、静かに考えるようになりました。
 でも、何人の方々が来て下さるか・・・・・・は、お客様ご自身がお決めになる事!!
 私達に出来る事といったら、心を籠めて、この温泉を大切にして行く事だけだからです!!

     

   

2007-06-29(金)     曇時々雨     ヒュッテ     気温(最低= ℃、最高= ℃)

 チャイコフスキー国際音楽コンクールで、日本の大阪府出身のヴァイオリニスト 神尾真由子が優勝したというニュースが流れた。
 チャイコフスキー国際音楽コンクールと言えば、諏訪内晶子も、16〜17年ほど前に優勝しているから、これで日本人の優勝者は2人目という事になる。

 全ての楽器の中で、ヴァイオリンが一番好きな僕にしてみれば、この事は兎に角嬉しい限りであるが、 何れ、NHKあたりから、コンクールの模様が放映される筈である。
 こう言った事があると、いつも思うことだけど、優勝した時の演奏と言うのは、その演奏者の一生のうちでも、一番目か二番目に素晴らしい演奏ではないかと、どうしても思ってしまう。そんな事を考えると、何れコンクールの模様が放映される時には、その番組を是非共、録画しておきたいと思う事仕切りである。

     

     
2007-06-30(土)     雨     ヒュッテ
     気温(最低= ℃、最高= ℃)

6月30日・・・・・・
今日で、6月も終わり!
僕の大好きな月も終わって仕舞います。

皆によく笑われるのですが
僕は、この6月という梅雨の季節が大好きです・・・・・・
だから、当然の事ながら水無月という
昔ながらの呼び名も大好きです。

ずっとずっとの大昔、
僕がまだ国民学校に上がる前
梅雨の季節になると、
毎年、淡い空色の紫陽花の花が沢山咲いていた、垣根の奥の
・・・・・・古びた物置の庇(ひさし)から
ポタポタと落ちる雨水で出来る、長い水溜りに・・・・・・・
或る年の梅雨時の日曜日に・・・・・・
兄とその友達が
港や運河を作って遊んだ事が、とても楽しくて
・・・・・・その翌日・・・・・・
誰も居ない・・・・・・ヒッソリカンと静まり返った物置に独りでやって来て
静かに降り注ぐ細かい雨を
哀しいような淋しさで全身に浴びながら・・・・・・
長い事、ジ〜〜〜〜ッと立っていたのを
一枚の色褪せた写真のように、ソッと思い出します。
そう・・・・・・それが
僕の一番古い、水無月の思い出です。

今日もそう・・・・・・
静かな梅雨時のヒュッテにたった一人で居ると
その日の思い出が、フッと心の中に湧いて来るから不思議です。

今、目の前にあるのは
梅雨時の雨に打たれた、レンゲツツジの葉の
深い緑を背景にした
大好きな Bay Window (出窓)に飾られた
アンリ・ファルマンの木製の複葉機がたった一機!!

この飛行機をボンヤリと眺めていたら
思わず、ホッと深い溜息をついてしまいました。

そうしたら・・・・・・
遠い遠い昔の、あの日も
兄が作った壊れかかった、水溜りの運河を眺めながら
フッと溜息を着いたのを・・・・・・
思い出しました。