2004 5 月の高原日記

        

2004-05-12(水)    曇時々晴    自宅(都内)

 久方振りに、シジュウカラが庭のアンズの木の巣箱に戻って来た。
 一昨年は巣箱が野良猫に狙われていたために、そして去年は急増したカラスに狙われていた為に、親鳥たちは巣箱に近寄らなかったが、久方振りに訪れた静けさに誘われてか、今年は又、我家の巣箱で親鳥達が雛を育てている。

 家内が、巣箱にシジュウカラが戻って来たのを見つけたのは、4月下旬の事だったが、それから約2週間・・・・・・今では、雛が大きくなったせいか、番(つがい)の親鳥たちが交代で巣箱にエサを運ぶのに忙しい。
 見ていると、5〜6分間隔で、毛虫とか青虫らしきものを嘴に挟んで、巣箱に戻って来る。 でも、僕が木下に立って巣箱を見上げていると、親鳥は警戒をしてか、巣箱の近くの枝にとまり、僕が石の様に固まっているのを見定めてから、やっと、巣箱の中に入って行く。

   

筆者がカメラを構えているのが気になって
筆者の動きを注意深く見守る親鳥

    

巣箱の入口の穴にとまり、巣の中に入ろうとする親鳥
         

巣穴の中に飛び込んだ親鳥
尻尾(しっぽ)の先だけが見えています・・・・・・
        

雛にエサを与え終わり、
次のエサを求めて外に飛び出そうとしている親鳥
    

      

一瞬、巣箱を飛び出した親鳥・・・・・・
 この瞬間の写真を撮るのが実にムツカシイ!!

 親鳥たちを見ていると、本当に大変である。
 兎に角、入れ替わり立ち代りにエサを運んで巣箱に戻って来る。
 そして、雛にエサを与えると、直ぐに又、エサを求めて何処かに飛んで行く。
 お陰様で、丸々と太っていた親達も、今頃になって来ると、兎に角、ホッソリと痩せてしまっている。

 ところで・・・・・・僕と家内はもう何回も経験をしている事だが・・・・・・親が巣にエサを運んで来る感覚から判断すると、もう雛の巣立ちは、本当に間もなくの筈である。
 そして・・・・・・これは家内の発見によるものだけど・・・・・・雛の巣立ちは必ず雨の日に行われる事である。
 ・・・・・・この話を家内から初めて聞かされた時、僕は
 「え? ホントかよ?」
 と、スットンキョウ な声を張り上げたものだったが、そう言われてから、気を付けて見ていると、本当にソウ・・・・・・なのである!!
 だから、明日(あした)か明後日(あさって)か分からないけど、今度雨がふったら、その日に、雛の巣立ちは行われる筈である。

     

       
2004-05-21(金)     晴      自宅(都内)

    

             ベストシーズン

       

台風2号が、関東の南の洋上を通過して、

東の海上に去って行ったら、

又、ビカビカの上天気が戻って来た。




ところで・・・・・・

・・・・・・・・・・

今日は五月二十一日。

僕は今頃の東京の気候が大好きである。

    

     

・・・・・・そう・・・・・・

梅雨に入る前の五月下旬から六月上旬に掛けての

緑が萌え、暑くもなく寒くもなくて、

ワイシャツ一枚で気持ちよく過ごせる日々の東京が・・・・・・・

     

    

この素晴らしい季節がやって来ると

僕は無性に嬉しくなって・・・・・・・

普段は放ったらかしにしている自分の部屋を夢中になって片付けたり

もう、古びてボロボロになった 「学生愛唱歌集」 を開いて

学生時代に大好きだった歌の数々を

幾つも幾つも、心ゆくまで大きな声で歌い続ける

    

    

・・・・・・そうかと思うと・・・・・・

英語で書かれた大好きな微積分の本を

行き付けの喫茶店の片隅で、何時間もの間、読みふけったり

千駄ヶ谷の将棋会館に出掛けて

日がな一日、下手の横好きの将棋を指して来る

    

     

でも・・・・・・気が付けば

いつの時代も、僕は今頃の東京が大好きだったうな気がする

   

     

僕がまだ小学校にあがる前・・・・・・物置の前のアジサイの木から

つやつやと緑色に光る新芽を、手のひらに沢山もぎ採って

番頭の泰(たい)さんに、ひどく叱られたのも、今頃だったし

・・・・・・小学校高学年時代、生家の裏庭にあった、大きなパッパの木の上に

秘密の家を作ったのも、矢張り今時分(いまじぶん)だった様な気がする

     

    

・・・・・・この外にも、この季節の思い出がたくさん残っているのは

緑ゆたかな、このひと月程の間は

・・・・・・自分の心が、とりわけ素直になれるからだと

何んとなく、最近になって気が付いた。

    

      

そう分かってみると・・・・・・・

今年の今の季節の残り少ない日々が

出来るだけユックリと過ぎて行くようにと・・・・・・

知らず知らずのうちに、祈っていたのも・・・・・・頷けるような気がする

     

     

やっぱりそう・・・・・・今の季節は

東京のベストシーズンなんだ・・・・・・!!

ほかの人には、いざ知らず・・・・・

少なくても、僕にとっては・・・・・・!!!