2002月 の高原日記

   
 

     

2002-07-01(月)         曇時々晴           自宅

 2週間ぶりに我が家に帰って来たら、床の間に鮎の掛軸が掛かっていた。

      

     
 このアユの掛軸は、僕が大好きな掛軸である。
 近くで見ると、本当にそこにアユが泳いでいる様な絵だからである。

     
 

    
 作者の名前は、絵の左下に描いてあるのだが、読む事が出来ないので、この絵が、どの程度の価値があるものか全く見当がつかない。

 ただ、(いい絵だな・・・・・・!!)
 と、思って眺めているだけである。

 正直な話、そういった眺め方が、一番素直な眺め方であり、又、素直な絵の持ち方ではないかと・・・・・・最近の筆者は、本当にそう思っています。

     (・・・・・これって、負け惜しみかなあ〜?? ・・・・・・陰の声・・・・・)

     

2002-07-03(水)           曇            自宅

 ここ 2〜3日の間、溜まりに溜まった、手紙や郵便物を整理したけど、ぜんぶ片付けするのに、丸3日も掛かってしまったなんて・・・・・・・!!
 ・・・・・・でも、ホントにホッとしました。

 それにしても、毎日、どうして、こんなに忙しいンだろう・・・・・・・・・!!

      

       
          

2002-07-04(木)          曇          自宅

 午後、真寿園に生前、母親が使っていた衣類などの遺品を受け取りに行って来た。
 ・・・・・皆さん、僕が行くと、笑顔で出迎えて下さり、小一時間ほど、色々な思い出話に花を咲かせたあと、遺品を受け取り中野に帰って来た。
 母親が、この特別擁護老人ホームにお世話になっていたのは、10年程・・・・・・・・・・!!
 その間、僕は何百回このホームに出掛け、母親と話をし、園の皆さん方と交流を深める事が出来ただろう?

 本当に、皆さんにはお世話になったと、沁み々々と感じさせられています。

 「・・・・・・・その内、又、遊びに来ますから・・・・・・・・・」
 と言ったら、皆さんは
 「是非、来て下さい!!」
 と、言って下さいました。

 ホントに優しくて、心の温かい人達!!

 ・・・・・・・ゼッタイ、又、遊びに行こオ〜〜〜〜〜〜〜ット!!

      

         
2002-07-07(金)          晴          自宅

 新しい教会の墓地を購入する件に関する、教会総会が開かれた。
 結果は満場一致で、購入に決定。
 ・・・・・・これで、お墓が出来て、今まで教団のお墓に入っていた方々の遺骨を新しいお墓に移せれば、全ては、幸せな結末となる。

 それにしても、社団の O 理事って、イヤな奴だと思うよねえ・・・・・・・!!

 気が付いてみたら、何んと今日は七夕様の日じゃないですか・・・・・・・・・・???
 ・・・・・・慌てて、外に出て、午後11時の夜空を眺めて見たけど、東京の空の哀しさ!!
 ワシ座のアルタイル(牽牛)と思しき星は見付かったものの、琴座のベガ(織女)があるべき辺りには大きな星が一つだけどんよりと鈍い光を放っているだけ・・・・・・・!!
 何んとなく、空気が汚れ、近くのマンションの光が明るいため、5等星、6等星などは殆ど見えない状態!!
 残念ながら、織姫様を確認する事は出来ませんでした・・・・・・

 今頃、ヒュッテにいたらナ・・・・・・って、ホントにそう思います!

 それから、今、思い出したけど・・・・・・・明日は、高校時代のクラス会だア〜〜〜〜〜!!

      

      
2002-07-08(月)          晴           自宅

 兎に角、暑い毎日。

 午後6時、吉祥寺の第一ホテルの車屋で、五商3G のクラス会。
 集まったのは20名ほど。

     (後刻、追記予定!)

 帰宅、午後11時。
 ・・・・ひと休みし、家族と雑談などをしたあと、小海町公民館報に掲載する「オオヒカゲ」の原稿に着手。
 おおよその荒筋を考えたあと、全体の三分の一ほどの原稿を書き上げる。

 就寝、午前2時。

     

     
2002-07-08(火)           晴          自宅

 今日もクソ暑い一日!

 午前中に、昨日途中まで書いた「オオヒカゲ」の原稿を書き上げ、余った時間を利用して「色即是空」の第17〜18章の原稿に赤を入れる。
 ・・・・・・これで、「空」の話の2回目の全体の見直しが終わった事になる。
 明日からは、赤を入れた紙原稿をもとに、再度ホームページの原稿を修正し、ホームページを更新する仕事に掛かる予定。
 人はどう思うか僕にはよく分らないけど、僕の体の中では、「空」に関するイデオロギーが日一日と、いっそう透明で分りやすい形になって行くのが、日々、実感できる。
 この「空」の話の仕事をしていると、本当に楽しくて、時間が経つのをついつい忘れてしまう・・・・・・・!!

 午後、午前中に書き上げたテキストファイルの原稿とオオヒカゲの写真を総合センター宛に投函する。

 郵便局から帰って来たら、門の所のウツボカズラが綺麗に咲いていたので、デジカメを持って行って写真を撮って来た。

     

       

 写真を撮っていたら、時折り見かけるお年寄りが
 「これ、何ンというお花でしょう?」
 と、僕に声を掛けた。
 「ノウゼンカズラですが・・・・・・」
 と僕が言うと
 「いえ・・・・・・毎年、キレイなお花が咲いているので・・・・・・・何ンという、お花かと思いまして・・・・・・・・本当に有難う御座いました・・・・・・・!!」
 と、丁寧にお辞儀をして帰って行った。

 ところで、このノウゼンカズラであるが、上の写真ではチョット分り難いけど、近くで見ると、ご覧の通り、とてもキレイナ花である。

     
  

     
  ・・・・・・・・そして、塀の裏の駐車場側にも、キレイな花を沢山咲かしている。

      

    
  我が家の梅雨時の風物誌である。

       

      

2002-07-10(水)          台風6号            自宅

 台風6号の北上に伴って、雨がひどく降り始めている。
 気温はそんなに高くはないけど、湿気が多くて体中がベトついている感じ。
 お陰で今日は一日中パンツ一丁で過ごしてしまった。

 今、外では雨がヒドク降っている。
 近所の家のトタン屋根に降る雨音が物凄く素敵・・・・・・・!! 我が家も、トタン屋根だったら、よかったのにサ・・・・・・と思ってしまう。

 今日は一日中、フロッピーディスクの整理。
 むかし使っていた約70枚ほどの 2DD のフロッピーディスクを全部捨ててしまったら、FD の引きだしに大分余裕が出て来た。
 素敵、素敵!!

     

     
2002-07-10(木)         快晴             自宅

 台風が行ってしまったら、今日は素晴らしい天気。

 午後、和室の廊下の籐椅子に腰掛けて、爽やかな風に吹かれていたら、こんな散文詩が出来てしまった。

      

盛夏の午後

     

盛夏七月の午後。

廊下の籐椅子に腰掛けて

昼食後のひと時をたのしんでいる。
       

    

昨日、大きな被害をもたらした台風 6 号は

お昼のニュースによると、もう青森の方に行ってしまったとか・・・・・!

台風の後って、いつもそうだけど・・・・・・

今日も、空気が清々しくて

何から何までがサッパリとしている。

     

      
この廊下の籐椅子は、我が家で一番涼しい場所

廊下がアンズの木の下にあるせいだろうか・・・・・

涼しい風が廊下を吹き抜けて行く。

      

     

      
いつもは東京の夏って、何ンと暑いんだろうと、思うけれど

廊下の風で涼しんでいると

東京の夏も、結構、素敵に思えて来る。

    

     
ぼんやりとアンズの木を見上げていたら

シジュウカラの巣箱が未だ取り込んでいない事に気が付いた

「なるべく早く取り外して、消毒をしておかなくちゃ・・・・」

こんな事を、眠たげな頭の中で考える。

    

     
台風の余波だろうか、今日はいつもよりも風が強い。

木陰の風がフッとあたりを吹き抜けると

庭の洗濯物がフワリと揺れ

塀の向こうで一頭のナミアゲハが

驚いたように吹き上げられた。

     

     
耳を澄ますと・・・・・・

遠くの方で、家の工事をしているのだろうか・・・・・・?

金槌の音がしたり、

チャリンとコンクリを割るタガネを叩く音がする。

    

     
本当に久方振りの東京の夏らしい午後のひと時

家内の言葉ではないけれど

「暑いけれど、新陳代謝が促進されて気持ちいいわよ・・・・・!!」

のひと言がよく分るような今日の午後。

     

    
「あ、いけねえ〜・・・・・・忘れてた!!」

家内の事を思い出したトタン

僕は寄りかかっていた籐椅子の背から、自分の背中を持ち上げた。

「あとで、お散歩に行った帰りに、力(リキ)さんのお店で

スイカを一つ買って来てよ」と、言われていたからである。

     

    
(・・・・・ンじゃあ、そろそろ出かけるか・・・・・・!!)

心の中で、そう呟くと

僕は、大きな欠伸(あくび)を一つしたあと

骨がボキボキいう程、力一杯に伸びをした。

      

     
2002-07-12(金)         快晴           自宅

 家内が最近描いたばかりの、新しい油絵をダイニングの壁に掛けた。
 「・・・・・その絵、とてもよく描けているよ・・・・・・!!」
 と、僕が言った為かも知れない。

       

      
 大きな川の上を渡って行く電車を見て、小さな子供が
 「ワーイ!!」
 と、両手を上げてバンザイをしている絵である。

 僕は小さい時、
 (大きくなったら、電車の運転手になりたい・・・・・・!!)
 と思っていたし、我が家の長男の KR も電車が大好きだった。
 ・・・・・僕が、この画が好きなのは、この画を見ていると、そんな思い出が沸々と蘇って来るせいかも知れない。

 兎に角、何んとなく、懐かしさが戻って来るような画である。

    

       
2002-07-13(土)          曇            自宅

 今日は曇っているせいだろうか、どちらかと言えば過ごしやすい一日だった。

 ・・・・・・・ところで・・・・・・
 午前中、家の前を掃いてキレイにしたが、気が付くと、2〜3日前から、少しづつ開き始めていた百日紅が一気に満開になっていた。

     
 

      
 時を合わせてウツボカズラも満開なので、門のあたりは大変賑やかである。

 我が家に生えている木は、ヒュッテにあるものも含めて、小さな苗木を買ったり戴いたりしたものを植えておいたら、いつの間にか大きくなり、花を咲かせたり、実をつけたりするようになったものが殆どである。

 その話を或る人にしたら、その人は・・・・・・
 「人も植物と同じよネエ! 愛情をもって育てると、いつかはキット花が咲くわ・・・・・・!!」
 と言った。

 その時は
 「成る程、うまい事を言う・・・・・・!!」
 と、思ったが、最近は
 「待てよ・・・・・・・!!」
 と思うようになってしまった。
 ・・・・・と言うのは、
 芸術家、数学者、天文学者、宗教家・・・・・・・等々、今日に至るまでの長い年月の間、洋の東西を問わず、人々を心から幸せにする、本当に立派で美しい花を咲かせた人達が沢山いるのに・・・・・・・・・
 ・・・・・その一方では、わが国の最高学府である東大などを卒業しても、咲かせた花は、贈賄・収賄・税金の無駄遣い・自分さえよければ他人の事はお構いなし!!・・・・・・
 と、いうような悪臭紛々たる・・・・・気味の悪い花をゴマンと咲かせている、国会議員・官僚をはじめとした人々が沢山いて・・・・・・本当に、吐き気を催すような気分に侵されてしまうからである・・・・・・・!!

 その違いは何んだろう・・・・・・?

 と、考えたら、直ぐに思い浮かんだ単語があった。

 それは、「無心」という単語である。

 どんな花でも、地位・金銭・権力・・・・・・などを求めず、無心に咲く。
 それと同様、そういったものを求めず、無心に咲いた人の心の花というものは、それが音楽であれ、絵画であれ、焼き物であれ・・・・・・・素晴らしいものが沢山ある。

 ・・・・・その一方では・・・・・口では立派な事を言っていても、心の中では、そういったものを、気違いのように追い求めている人達が沢山いる。
 ・・・・・・そして、その人達が咲かせる花は・・・・・・・
 贈賄・収賄・政官業の癒着など・・・・・・・私利私欲を剥き出しにしたような、美しくない花ばかり・・・・・・!!

     
 一度しかない人生である。
 ・・・・・出来る事なら、無心に生き、美しい人生の花をたくさん咲かせたいものである!!

 皆さんは、どう思われますか・・・・・・・・??

       

        
2002-07-14(日)           晴            自宅

 中野桃園教会の礼拝と愛餐に出席したあと、千歳船橋の LYPP に途中から1時間ほど出席をした。
 会場に着いてみると、今日は中西先生が、全員を相手にひとりひとりとシングルスの試合をして下さっている真っ最中。
 ひとわたり全員の試合が終わった所で、先生が
 「八岳さんも、やる?」
 ・・・・・・と言って下さったので、肩慣らしのフォア打ちを全くしていない状態だったけど、(これはいいチャンス!!)とばかりに
 「お願いします・・・・・・!」
 と答えて、試合をして頂いた。
 結果は、5点で負けてしまったが、もし、フォア打ちをしていたら、あと1〜2点は取れたかも知れない。

 終わってから、先生、佐藤コーチ、能村さん、鈴木さん・・・・・・・等と、喫茶店に行って1時間ほど、お喋りをして帰って来た。

 今日は水谷さんが居なかったのがチョッピリ淋しかったけど、皆さん、本当に素敵な方達ばかり・・・・・・・・僕って、どうして、こんなにいい友達に恵まれているんだろう!・・・・・・と、沁み々々と感謝した次第である。

       

         
2002-07-16(火)           台風7号            自宅

 昨夜来、関東地方に接近して来た台風7号は、正午には房総半島沖を通過して、三陸沖方面に向って行ってしまった由。 ・・・・・・・先週の台風5号に比べると、被害は可也り小さかったようである。

・・・・・・
 午後は、中野区立図書館に出掛けて、ラテン語とドイツ語の新約聖書マタイ伝・第6章13節に頌栄文が入っているかどうか・・・・・・・を調べに行って来た。

 頌栄文とは、主の祈りの最後の

For thine is the kingodom and the power and the glory for ever !
(国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり!)

 の部分である。

 ・・・・・何故、こんなものに興味を持ったかというと、現在、日本で販売されている新共同訳の聖書のこの部分には、上記の頌栄文は入っていないのであるが、我が家にある英語・ロシア語・ギリシャ語(1611年発行)の3冊の聖書には、この頌栄文が入っているからである。

 生憎と区立図書館には、ラテン語とドイツ語の新約聖書はなかったけど、副産物として・・・・・・新たに、この頌栄文が入っている、英語の聖書1冊を見付けてしまった。

 ・・・・・・でも、今日の最大の収穫は、教文館発行の聖書大辞典に、
 「マタイ伝第6章13節の頌栄文はのちの挿入である」
 と、出ていた事である。

 ・・・・・・これで、主の祈りの最後にある頌栄文が、何処から来たのかという事が分ったが、これは本当に大きな収穫だったと思う。

    
 話は代るけど、現在、興味半分に・・・・・・いのちのことば社発行の「聖書ギリシャ語入門」の本を、時間を見つけては少しづつ読んでいる。
 言葉が大好きな僕には、ギリシャ文字を発音できるようになる事は、とても興味があるが、何種類かあるアクセント記号が他の言語に比べると、ずっと頻繁に用いられているのには、聊か閉口する。

 でも、大好きな廊下の籐椅子に腰掛けて、ギリシャ語を勉強するのは、本当に楽しいことでありんす!!

        
     

2002-07-18(木)         曇          自宅

 ・・・・・・・・つい、先週の事である。
 中野駅北口の明屋書店から、帰って来る途中、40年程まえ代々木の国際英語学院に一緒に通っていた、古い古い山の友達にフト出会った。
 ・・・・・・余りの突然の再会に驚いた僕達だったけど、遠く懐かしい日々の思い出に駆られて近くの喫茶店に入り、2人で行った若き日の山の話や、当時の英語学校のクラスメートの話を2時間程して帰って来た。
 ・・・・・・・話の途中で・・・・・・・僕はふと、当時、彼が付き合っていた仔鹿のように清楚な感じのガールフレンドの事を思い出して
 「・・・・・・あの詩が大好きだった、美しいお嬢様は、今、どうしているの?」
 と、聞くと、彼はコーヒーカップの中に目を落として
 「うん・・・・・あれから2年ほどしてから、別れちゃったんだよね・・・・・・」
 と言って、美しかった、当時の青春時代の思い出話をポツリポツリとして呉れました。
 彼が話し終わったあと、ふと、彼がいつもポケットの中に忍ばせていた詩集の事を思い出して、
 「そうそう・・・・・・あの当時、彼女から貰ったと言って、貴方が大切にしていた、あのアイヒェンドルフの詩集は、今でも、持っているの・・・・・・?」
 と言って彼の横顔を覗き込むと
 「そんな事まで憶えていたのかい? うん、あの詩集だけは、何回か捨てようとしたけど、どうしても捨てられなかったよ・・・・・だから、今でも持っているよ。もう、ボロボロになっちゃったけどさ・・・・・・・」
 そう言って、彼は淋しそうに笑った。

 夕方近く、彼と喫茶店の出口で
 「・・・・・・じゃあ・・・・・・!」
 と、言って別れたが、暫くしてから、僕の心の中で、彼が話してくれたストーリーが、一つの歌となって、心の中で響き始めたのである。

 その歌詞とメロディーが、一週間ほどした今日になって、本当にハッキリとした歌となって来たのには、我ながら本当に驚いた次第である。
 「・・・・・・でも、どうしてだろう・・・・・・・僕自身の事じゃないのに・・・・・・??」
 と、考えたら、
 僕自身にも、彼の話に、ほんのチョッピリだけ似た様なケースがあったのを、フト、思い出した。
 「まさか・・・・・・・あんな遠い昔の話が・・・・・・・・?」
 そう思って、僕は、思わず苦笑をしたが、その瞬間・・・・・・僕はヒュッテの本箱に収まっているヘルマン・ヘッセ全集の中の
 「青春は美し」
 ・・・・・・・の本を思い出し
 「青春時代って、どうして、あんなに美しいんだろう・・・・・・・?」
 って思っていた。

 もしかすると、僕の心の中で、鳴り響いていたのは、彼と僕との甘酸っぱい思い出なんかではなく、キラキラと輝く夏の強い光のような、美しき青春時代への憧れと追憶だったのかも知れない・・・・・・・・!!

 ・・・・・・でも、どうしてだろう?
 青春時代って、40年も経ってから、今、こうして思い出してみると、とても美しいのに・・・・・・・何か、コーヒーの様なホロ苦さが残っているのは??

      

 帰り来ずや若き日

 麗しきあの日々よ

 霧の中で別れた

 涙溜めた瞳よ
           

     本当は嫌いじゃなかったのに

     何故に別れた、あの夜

     君の詩集を開くたび

     今でも疼く我が心

      
 帰り来ずや若き日

 麗しき夏の日々

 遥かなる夏雲の

 淡き青春時代

   
 そう言えば、僕達が喫茶店のテーブルから立ち上がるとき、彼が
 「・・・・・・もう、君に会うことは、多分ないと思うけど・・・・・・」
 と、言ったので
 「どうしてサ・・・・・・・・今だって、僕達は、今もこうして会っているじゃないか!」
 と言うと
 「うん・・・・・・僕が、今、ここに居るのがオカシイんだよ。・・・・・・だって、今の僕は、昔のジプシーの様に、ヨーロッパの小さな町や村を転々としているんだもの・・・・・・・・!!  え? 僕が、何故、ここに居るのかって? ・・・・・・・それはねえ、つい、この間、親父が他界したからなんだよ・・・・・」
 そう言って、かれは、再度、静かに笑った。

 もしかすると、彼は今でも、青春時代を生きているのかも知れない・・・・・・!!
 ・・・・・・と言うのは、彼の話の余韻が今でも、甘酸っぱく僕の心に残っているからである・・・・・・

 青春時代って、何んて眩しくって、淡くって、そして儚い日々なんだろう!!

       

       
2002-07-19(金)         曇          自宅

 夕方、我が家から歩いて15分程の所にある、セシオン杉並に、読売日本交響楽団メンバーによる室内楽コンサートを、一家三人で聞きに行って来た。

 メンバーは、 Vn:山田耕司・山田友子、
         Va:二宮隆行
         Vc:林 一公
         Pf :鈴木真理子

 曲目は    Haydn String quartet D-mol.  op. 76-2  「五度」
          Haydn String quartet C-dur. op. 33-3 「鳥」
          Dvorak Piano quintet A-dur. op. 81 

 ・・・・・・・・の3曲。

 入口で配られたプログラムで Vn の2人の名前を見たとき、夫婦かと思っていたが、楽器を持ってステージに出て来た二人をみたら、2人とも20歳台の若さ!  
 しかも、顔の輪郭などがよく似ている。
 そこで、僕が
 「あの2人、兄妹じゃないかな?」
 と僕が言うと、家内は
 「アラ、そう言えばそうよね〜!」
 と言ったが、一曲目の D-mol が終わったとき、今度は家内が僕に言った。
 「・・・・・あの2人、絶対に兄妹よ! ・・・・・・それにしても若いわよね〜!!」
 「うん、全くだよね〜! でも、演奏は元気があって素敵じゃない! とても、たのしいよ・・・・・・・」

 その言葉通り、Haydn の演奏は生き生き・伸び伸びとした、本当に素敵な演奏で・・・・・・・見ていると、演奏している4人は、どんなに楽しいだろう!・・・・・・・という感じの演奏だった!

 3曲目の Dvorak も素晴らしかった。

 出だし、第一主題はチェロのパートである。
 ・・・・曲が始まる前、チェリストは4〜5秒の間、目をつぶっていたが、その間、ギュッと下顎が締まり、顔に少し血がのぼった・・・・・・・
 「・・・・・やるぞ・・・・・・・!!」
 という気迫が顔一杯に拡がった。
 ・・・・・・と見るや、目を開いて、ピアニストに目配せをした。

 2〜3小節のピアノの前奏に続いて、演奏された厳かなチェロの第一主題!
 音の大きさは p だけど、素晴らしいヴィヴラートに伴われたガッツのある演奏!
 (・・・・・・・素晴らしい!)
 思わず、僕は涙ぐんでしまった。

 本当に、朗々と響くチェロの音。

 演奏時間は32〜35分くらいだったろうか?
 兎に角、とても素晴らしい演奏だった。
 ・・・・・・・しかも、全員が、細かいパッセージも、実に丁寧に弾いている。
 演奏にも、若い演奏ってあるのだろうか?
 終わった時の、あの爽やかさ・・・・・・!
 僕は、思わず、夢中になって、真っ先に拍手をした。

 コンサートが終わってから、我が家に帰って来るまでの15分間、涼しい風の吹く住宅街の中の道を通って来たが、
 「・・・・・・とっても、楽しかったよね・・・・・・・・・・」
 が、三人の感想でした。

 我が家は、皆、音楽が大好きである。

 僕は、 クラシック、ジャズ、ポップス、歌謡曲(演歌も含む)
 家内は、クラシック、ポップス
 長男は、クラシック、フォーク・・・・・・クラシックと同じ位にビートルズを聴いているのが印象的。

 三人に共通しているのは、クラシックであるが、好きな作曲家は、それぞれに違うようである。

 僕・・・・・・・バッハ、シューベルト、ドヴォルザーク、プロコフィエフ、ベートーヴェン
 家内・・・・・オペラが主流、ほか、サンサーンス、シベリウス・・・・・・それから何んだろう?
 長男・・・・・ベートーヴェン、モーツァルト、メンデルスゾーン

 こうやって、並べてみると、それぞれの個性が出ていて、とても面白い!

 でも、一番、オーソドックスなのは、長男なのかもしれない・・・・・・・・・よネ?!

      

       
2002-07-20(土)         晴            自宅

 梅雨明け宣言があったトタン、温度計はウナギ上り!!

 今夜は、久方振りに焼肉を楽しみました。

 ダイニングテーブルの上に、鉄板を載せて、三人で、テーブルを囲んで、ジュウジュウと牛・豚・鶏の肉、ジャガイモ・ピーマン・豆もやし・舞茸・キャベツを鉄板の上に載せて焼く。
 ダイニングには、背の高い首振り扇風機が3人に風を送っている。
 別にどうという事はない、ごく普通の家庭の夕食の風景であるが、家族3人で食卓を囲んでペチャクチャお喋りをしながら食べる夕食は、とても楽しいひと時である。

 こんな晩は、暑い夏の夕べも結構イイナッて思ってしまう。

      

       
2002-07-28(日)          曇           自宅

 ここ一週間ほど、「色即是空のお話」の再校正に夢中になっていたため、日記も何もスッカリとご無沙汰になってしまっていた。
 つい先刻、教会から帰って来たあと、夢中になって、やっと15章「「空」に生きる」の再校正を終わって、HPにアップロードしホッとひと息ついたところ・・・・・!

 「空」について、知れば知るほど、お釈迦様の教えと言うものは、本当に素晴らしいと・・・・・しみじみと感心してしまう毎日である。

 ところで、今日、再校正を終わった15章であるが、この章の再校正は本当に大変だった。
 先刻、アップロードした今回の校正でも、何日かして読み直してみたら、又、校正のしなおし!・・・・・・なんて事にもなりかねない!

 と言うより、校正のしなおし・・・・・・の可能性は、かなり高いのでは・・・・・・というのが正直な感想!!

 ホントに全く、何ンていう事に足を突っ込んじゃったのでしょうネエ!!

      

      
2002-07-29(月)           曇            自宅

 毎朝、自宅の周囲を掃き清めるのが、僕の日課である。
 今日も、つい先刻、玄関まわりを掃いた時、センリョウの実が大きくなっているのに気が付いた。
 我が家では、十数年前に植えたセンリョウ(千両)が少しづつ増えて、ご覧の通り玄関から裏口に至る通路の両側を賑やかに飾っています。

    

    

 そんなこんなで、我が家の事をひと呼んで・・・・・・
 「・・・・・・金(かね)は無けれど、千両屋敷・・・・・・!!」
 ナーンチッテマス・・・・・・

 ところで、千両っていう植物は、皆さん知ってますよね?
 お正月になると、松と一緒に床の間なんかに飾る、枝先の葉っぱの座布団のうえに、朱色の実をチョコナンとつけている・・・・・・あの可愛らしい植物です。
 でも、そのセンリョウが6月の始め頃に白い花を咲かせ、今頃になると、とても美しい緑色の実をつけているのをご存知の方は、そんなに多くない様です。



    
  ・・・・・・どうです?
  可愛らしい実でしょう〜〜?!
  ・・・・・・我が家では、皆、この植物が大好きです!
  ナーニシロ、千両ですからね・・・・・・千両、千両!!!!

     

      
2002−07−31(水)           快晴・猛暑           自宅

 兎に角、一日中、物凄い暑さである。
 ・・・・お陰様で、日中は全く外に出る気にはならない・・・・・・
 家の中にいるだけでも、全身から汗が噴出してくる感じだからである。

 午後8時、過去2ヶ月かかった「色即是空」の再々校正が全て終わった。
 この再々校正の予定期限を一応、7月末日としていたので、当初の目的を達成した事になる。
 ・・・・・・嬉しい・・・・・・!!
 ホッとすると同時に、肩の荷がスッと下りたような気がする。
 ・・・・・・これで、思いっきり、動き回る事が出来る・・・・・・!!

 長男KRが出場する Special Olympics 開会式のセレモニー!
 8月16〜17日のアジア地区卓球競技の国際試合・・・・・・

 全く、バンザーイ!!・・・・・・である。